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特集

18年度の活路開拓事業
市場開拓などへ8組合が着手

8組合の横顔 課題と動機

ブランド構築で市場開拓(藤枝建築事業協同組合)

すでに15棟、4億円弱の受注を獲得した藤枝建築事業協同組合のブランド住宅「四季の匠」

藤枝市の藤枝建築事業協同組合は、組合の規格住宅『ふじえだ四季の匠』のブランド構築への調査研究を行なう。

現在、大手ハウスメーカーの地方進出は著しく、「例えば藤枝地区の地元工務店・大工元請施工シェアは、およそ20%」(組合の望月隆睦理事長)まで落ち込んでいる。

ただし、その原因は宣伝力の違いであったり商品構成の違いであって、商品そのものに対する敗北を意味するわけではない。地場の大工・工務店は建築技術への絶対的な自信がありながらも一般消費者への効果的なPR方法を見出せず、多くが地縁血縁による待ちの営業姿勢で受注機会を逸しているのが実情。このジレンマからいかに抜け出すか、である。

そのためのアクションが今回の活路開拓事業だ。昨年12月、組合は臨時総会を開催し、ブランド化に乗り出すことを決めた。従来の待ちの姿勢を改め、自らの技術・技能を広く消費者にPRするためのノウハウや共通ツールを形成していこうとする試みである。

組合は「四季の匠」の条件として、(1)国産材70%以上を軸組み使用(2)強度の目安となる扁心率を法定数値より強める(3)完成引渡し後、2年間で5回のメンテナンスを義務づけ―を決定。活路事業に先立ち、今年1月より組合員が販売に着手しているが8ヶ月間で15棟、4億円弱の成約にこぎつける成果をあげている。

「実績は大きな励みだが、まずは四季の匠の存在、その良さを広く知ってほしい。その上で、商品力の強化やPR方法を研究し、じっくりとブランド浸透を図っていく」と望月理事長は活路開拓に挑む。

業界団体の機能集約化(協同組合焼津共同冷蔵)

協同組合焼津共同冷蔵は、焼津市の水産関連業界とともに、機能共同化や組織の連携にむけた調査事業に取り組む。

焼津港は水産原魚の水揚げ、荷捌き機能を新港へと移転。これに伴い、生産者団体や加工団体における機能集約化への意見が強まっている。原魚の確保、老朽化した施設の事務機能低下、事務経費の拡大など各団体が抱える問題は年々、深刻化している。そこでそれぞれの課題を整理し、その解決にむけ共同化への道を模索する。

同組合が中心となり焼津市魚仲水産加工業協同組合など合せて4組合が『水産関連団体の機能共同化・連携の可能性、焼津港周辺の賑わい事業創出』の調査研究に着手。共同事業の構築、共同会館の建設計画のほか、ものづくり継承や食育の拠点として、また、港周辺の賑わい事業についてハード・ソフト両面からプランを作成する。