静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2006 October No.635 組合員の商品開発をサポート
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特産品の発掘、開発を目的に設立霊峰富士、その山麓に広がる朝霧高原、天下の名瀑白糸の滝、逆さ富士で知られる田貫湖、日本最大級の万野風穴、さらに富士山本宮浅間大社…。多くの名所を抱える富士宮市とその周辺は、全国から多くの観光客を迎える本県有数の観光地だ。 特産品も多彩。朝霧高原で育てられた乳牛や豚からつくられるチーズ、バター、ソーセージなどの畜産加工品のほか、富士の湧き水に育まれたニジマスを利用した製品などがその代表格だ。また近年では、強いコシ、辛口のソースを特長とする「富士宮やきそば」が全国的に知られ、富士宮=やきそばのまちというイメージも定着しつつある。 このように、今でこそ豊富な特産品を抱える当地域だが、長らく目玉となる特産品に乏しかった。こうした中、特産品の発掘や開発を進めるため、当組合の前身となる富士山特産品振興会が発足したのは、昭和59年のことだ。4年後の63年、これをさらに発展させるため、任意組織のメンバー47社で法人化に踏み切った。 組合員の扱う商品は、地酒、精肉、乳製品、漬物、そば、菓子、お茶などの食品類からガラス工芸、紙粘土、陶器、木工品、織物と富士宮地区周辺の特産品を網羅する。 好評な「富士山からの贈り物」設立1年後の平成元年6月には、浅間大社鳥居前に組合直営の売店”ここずらよ“をオープンさせた。やきそばセット、地酒、朝霧高原の畜産品、富士山麓の農産品と漬物、富士宮の銘菓、ニジマス製品、工芸品など特産品がずらりと並ぶ。 創業慶応2年という酒蔵の8代目、佐野直次理事長は、順調に業績を伸ばす売店をこう語る。 「”ここずらよ“は、意外と知られていない地元の特産品を観光客など、市内外に広くアピールしようと、オープンしたアンテナショップ。富士宮の特産品はすべて揃っています。浅間大社赤鳥居の前という立地の良さもありますが、やはり、富士宮でしか買えない特産品を扱っていることが大きい。観光客にはやきそばセット、乳製品が特に好評。地元では『富士山からの贈り物』と銘打つ特産品の詰め合わせが喜ばれています。予算や好みに合わせて、組み合わせることができるので、お中元やお歳暮など贈答品としてお買い求めになるお客様が多いですね」 |
組合で開発「ニジマスすし」が大ヒット豊かな湧水に恵まれる富士宮は、ニジマスの生産量日本一を誇る。これを活かさない手はないと、組合では平成14年、新商品の開発に着手した。 「3人の寿司屋さんを中心に、特産品開発部会を立ち上げ、調理法の研究から、アンケート調査や試食会の実施、ネーミングの検討に至るまで試行錯誤を重ね、『ニジマスすし』の商品化に成功。サーモンピンクが鮮やかに映え、臭みのないおいしいお寿司として、”ここずらよ“や道の駅では、売り切れが続出するほどの大ヒット商品になったんですよ」。 佐野理事長は、オリジナル商品第1号の成功に目を細める。さらにマスカツサンドやマスカツ定食など、ニジマスを生かした新商品の販売を次々と始めた。こちらの売れ行きも上々だという。 「まだまだ埋もれたものが多いはず。視点を変えれば、新しいヒントが生まれる。今後も積極的に組合員の商品開発をサポートしていきたい」。組合は、第2、第3のニジマスすし誕生に意欲をみせる。 イベント出店で特産品をアピール平成16年、富士宮市は、まちづくりのキーワードを「食」と据え、「フードバレー構想」を立ち上げた。 昨年は、恒例となった「夫婦都市」提携を結ぶ滋賀県近江八幡市の「てんびんまつり」出店をはじめ、渥美半島の道の駅での観光物産展、松本市で開催された「信州夢街道フェスタ」出店など、他県にも積極的に出向き、富士山特産品のアピールに努めた。 理事長は、組合の地域への関りについて、こう抱負をのべる。 「富士宮周辺は、豊富な観光資源に恵まれていますが、それらは点在しており、十分な相乗効果が得られていないように思います。これらを有機的に結びつけ、回遊性をもたせたい。今後は、こうした提言を組合で積極的にしていきたいですね」。 |
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中小企業静岡(2006年10月号 No.635) |
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