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特集

ここがポイント!監事の仕事

監事の仕事は重要だ

業務監査の着眼点

事業報告書の監査は、業務監査権限を有する監事だけが行うことができ、業務監査権限を有せず、会計監査の権限のみを有する監事は、監査報告書で、事業間報告書を監査する権限がないことを明らかにしなければならないなど、その様式も異なっており、注意が必要だ。(監査報告書様式例参照)。

具体的な業務監査のポイントは、以下のとおりである。

(1)事業報告書監査

事業報告書とは、事業年度における組合の活動状況と組合の現況などを報告するものであるから、正確に、かつ詳細に記述されているか確認する。

(2)定款及び規約等
  1. 定款は、組合の組織と運営に関する大綱を簡潔に記載するにとどめ、細目は別に作成する規約、規程等に譲るようにしているか。
  2. 定款の内容は、組合の実情に即したものであるか、また、経済情勢の変動その他の理由により、組合の実情にそぐわないときは、遅滞なくその内容を変更しているか。
  3. 定款の変更は、所定の手続を経て行われているか。
  4. 定款原本は、必ず主たる事務所に備え付けているか。
  5. 組合運営及び事務手続に必要な事項等は、規約、規程として制定しているか。
  6. 規約・規程は、組合運営及び事務手続上の実態に即して常に新設、改廃が行われているか。
(3)総会 (総代会)
  1. 法令や定款により、総会(総代会)の附議事項として定められた事項が、必ず総会(総代会)に附議しているか。
  2. 組合は、通常総会(総代会)のほか、必要に応じて臨時総会(総代会)を開催しているか。
  3. 総会(総代会)には一定の条件の下に代理出席が認められているが、組合員の意思を直接総会(総代会)に反映させるため、常に本人が出席するよう努力しているか。
  4. (総代会)の運営にあたっては、形式に流れることなく十分に議論をつくして、組合員に組合の運営方針を理解させるよう努めているか。
  5. 総会(総代会)の議事録は、総会(総代会)終了後、直ちに会議の経過がわかるように作成しているか。
  6. 総会(総代会)の議事録は、主たる事務所に備え付けているか。
  7. 総代会を設ける組合にあっては、総代の選挙に際し、総代が地区または業種、業態などの一方に偏して選出されないよう考慮しているか。
  8. 総代は、総代会に出席して議決権を行使することばかりでなく、組合と組合員間の連絡機関として、組合事業の推進に努力しているか。
(4)理事会
  1. 理事会は、業務執行に関する基本的事項を決する機関であるが、業務執行の機動性を図るため、その細部については組合の実情に応じ代表理事の裁量に任せるようになっているか。
  2. 理事会は、その決議事項が代表理事によって正しく執行されているか。
  3. 理事会の開催は、定期的に開催するほか、必要に応じて適宜開催されているか。
  4. 顧問等理事でない者が理事会の議決に加わっていないか。
  5. 理事会の議事録は、会議終了後、直ちに所定の方針により作成され、出席理事が署名または記名押印しているか。
  6. 理事会の議事録は主たる事務所に備え付けているか、また、他の委員会などの議事録と明確に区分されているか。
(5)諸会議
  1. 業務の民主的運営とその周知を図るため、総会のほかに委員会、部会、協議会などの機関を設け、その活用を図っているか、また、地区が広範囲にわたっている場合や異業種の組合員を擁する組合の場合には、これらの諸機関を地区別、業種別に設置することも考慮されているか。
  2. 運営について組合員の後継者や家族の積極的な協力を得るために、青年部、女性部その他の研究会などの機関を設け、組合機能や組織目的についての教育訓練を行っているか。
  3. 運営について従業員の意見や協力を得るように努力するとともに、組合の目的や事業についての啓発に努めているか。
  4. 会議の性格、内容等により外部の学識経験者等の参加を求めて、その意見の積極的な活用を図っているか。
(6)共同事業

組合が実施する共同事業は、それが真に組合員の希望する事業であり、組合員の事業経営の合理化に貢献するものであるかを十分検討する必要がある。

また、共同事業は、最初から膨大な計画を一挙に行うようなことを避け、組合員の意識の高まりとともに順次高度の事業を実施するよう配慮されているかを検討することも、業務監査にあたっての重要な着眼事項である。

さらに共同事業の運営面については、民主性と機動性の調和と対外信用の確保に努めるなど、事業経営体としての経済原則に即応した適切な管理を行っているかを十分検討する必要がある。