静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2009 February No.663 エコアクション21を認証取得 環境問題へ積極的に取組む協同組合ガスエアコン静岡サービスネット
優れた暖房特性・低電力空調機器は、住宅・事務所・店舗・工場など、我々の居住空間を快適にするために、今や必要不可欠な設備である。 主に業務用として利用されている空調機器の1つに、「ガス・ヒートポンプ・エアコン(GHP)」がある。 家庭用エアコンなどが、心臓部となる室外機のコンプレッサー(圧縮機)に電動モーターを使用しているのに対し、GHPはガスエンジンを使用しているところに大きな違いがある。 1980年代、石油への依存度を押さえ、エネルギー利用の平準化進めようとする、国の総合エネルギー対策の一環として開発が進められ、90年代に入り本格的に販売が行われるようになった。 暖房特性に優れ、省電力・低ランニングコストなどの特長をもち、導入時には税制の優遇措置も利用することができる。 GHP事業者では全国初当組合は、県西部地区を中心とするGHPの点検・修理工事を行う事業者四社で、平成15年に設立された。GHP関係の事業者では、全国初となる組合設立である。 GHPはガスエンジンを使用するため、その能力維持には自動車の定期点検と同様に、オイルや冷却水の定期的な点検・交換などメンテナンスが必要となる。 また、発売以来20年近くが経過しているため、更新需要なども見込まれていた。 そこで、こうしたGHPの点検・修理・設置等の共同受注事業を目的に組合が設立された。 「設立後まもなく、ある大手メーカーがGHP事業から撤退。組合がメンテナンス業務や部品供給を引き継ぐことになった。組合員の技術と信用、組合の環境問題に対する考え方が、メーカーから評価されたのではないか」と辻村理事長は自負する。 エコアクション21「10年ほど前、偶然立ち寄った講演会で“環境問題に取り組まない企業は淘汰される”という言葉が印象に残り、環境問題への取組みをずっと模索していた」。理事長は環境問題への想いを熱く語る。 組合は環境問題への取組みを組合員が一体となって推進していくため、昨年6月、協同組合としては県内2例目となる“エコアクション21”を認証取得した。 エコアクション21とは、広範な中小企業、学校、公共機関などが、環境への取組みを効果的・効率的に実施するため、環境省が策定したガイドラインに沿って、環境に取組む事業者を認証・登録する制度である。 組合は事業活動における環境に与える影響を少なくするために、数値目標を設定し、CO2の排出量や水使用量などの削減に取組んでいる。 また、修理時に発生する不具合部品や劣化部品を回収し、リビルト部品として、再資源化も図っている。 認証取得に向け、約1年間をかけトレーニングを積むとともに、新たなリサイクル技術の開発にあたり、大手メーカーと提携し研究を重ねている。 「環境問題への取組みは大企業だけの問題ではない。中小企業も21世紀型企業を構築する上で目指すべき方向である。組合員やその従業員に至るまで、“環境”をキーワードに将来展望のベクトル合わせが重要。いっそう環境負荷の少ない事業活動を進めたい」と理事長はその決意を強調する。 強力なリーダーシップ中小企業経営において、当面の利益確保が優先される中で、組合が熱心に環境問題に取組んでいるのは、理事長の強力なリーダーシップによるところが大きい。 理事長は、県西部地区の若手経営者や後継者で組織する西部青年中央会の第9代会長を務めた。 「青年中央会の活動で、中央会の故井上前会長や多くの仲間に出会ったことが、今日の組合活動や企業経営の大きな支えとなっている。特に故井上前会長のチャレンジ精神と人情味には感化されてきた。いつまでもこの気持ちを忘れず、組合活動に活かしていきたい」。 人情に厚い理事長のチャレンジ精神は、いつでも全開である。
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