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特集

県内中小企業の工場用地ニーズと立地促進を考える

調査の概要

調査結果のまとめ

工業用地に関する行政側、企業側の現状と要望を調査した結果、行政は市町の置かれる地理的条件などにより工業用地の開発が困難な市町はあるものの、大半の市町は工業誘致に意欲が見られた。

しかし現実には既に工業用地の開発がかなり進んでいる市町もあれば、開発地が少ないところもあり、市町によってバラツキが見られ、工業用地の情報提供にも差がある。

情報システムを活用した情報の受発信には肯定的だが、現実的には有効な手段がとられていない。換言すれば、行政側は用地情報の流通について必要性を感じつつも情報の有効活用には至っていない。

つまり行政側は企業誘致を目指して工場用地を開発しているにもかかわらず、いわば商品である工場用地のプロモーションは殆どできていないということである。

工業用地の販売機会の頻度を考えると、投資対効果の関係から自らが情報システムを構築することは難しい状況にある。

このため外部の公共的立場の情報システムを利用することについては、前向きに対応する意向が窺えた。

一方、企業側のニーズとしては、実際に工業用地が必要となってから情報収集に動き出しているのが現状で、必要に迫られてはじめて検討を始めるということが分かる。また、用地が必要となっていても自治体の情報に効果的にアクセスできている様子は無く、身近な県の情報にアクセスしている程度である。つまり、工業用地の探索は限られた時間、狭い情報の範囲で捜していることが窺える。

これらの状況を勘案すると、「情報提供側(行政)と情報需要側(企業)のコミュニケーション距離が遠い」ということが言える。

需要側が求める情報内容のほとんどは、情報提供側では準備されている内容であるにもかかわらず、情報授受の結節点が限られており、結果として「両者間のコミュニケーション距離が遠い」という状況になっている。

需要側にとって効果的な情報が受動的に送られてくれば、工場用地に対する意識が高まり、必要に迫られてから情報探索を始めるだけでなく、有効な工場用地の存在が企業の生産効率化のための移転を促すことも考えられる。

情報提供側と情報需要側のコミュニケーションの結節点となる情報サービスシステムの構築は、今後の工業用地の有効活用には不可欠なサービスである。

そのためには、1.工業用地情報の提供側と需要側のコミュニケーション結節点としての機能2.提供側と需要側のコミュニケーションを有効的に流通させるサービス機能の実現が求められ、それを担うのが中央会などの支援機関である。

アンケート調査結果のまとめ