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特集

誌上暑中見舞交換
日本の世界遺産

姫路城、白川郷の合掌造り集落、日光の社寺、厳島神社、知床…。

いずれも日本を代表する建造物や景観、自然です。

これらに共通するのは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界遺産リスト」に登録された「世界遺産」であること。

世界遺産は、すぐれた普遍的価値をもつ建築物や遺跡などの「文化遺産」、地形や生物、景観などをもつ地域である「自然遺産」、両者を兼ね備えた「複合遺産」、後世に残すことが難しくなっている「危機遺産」の4種に分類されています。

1978年にガラパゴス諸島など12件が第1号として登録され、今年で30年。この間の登録数は、850件を超えます。

わが国では、1993年12月に屋久島、白神山地、法隆寺地域の仏教建造物、姫路城が初めて登録され、現在までに11の文化遺産、3の自然遺産のあわせて14件がその仲間入りをしています(6月末現在)。

この夏、足を運んで歴史や自然に触れてみてはいかが?

 

知床(北海道)

2005年登録

オホーツク海に面し、北海道東端に位置する知床半島と、その沿岸海域およそ56,100ヘクタールが世界遺産の対象区域。海岸線から約3km沖までが登録地域に含まれ、わが国では初めて海洋を含む世界遺産となった。

半島中央部は、千島火山帯が貫き、海岸線は荒く海に削られた地域である。

冬には世界で最も南端に接岸する流氷が訪れる。この流氷により大量のプランクトンがもたらされ、サケなどの豊富な魚介類が生息。

知床の河川を遡上するサケは、ヒグマやオジロワシなどに捕食され、これら動物の排泄物や死骸が植物の栄養素として陸地に還元される。

こうした海と陸との食物連鎖が存在する壮大で貴重な自然環境が残ることに加えオオワシ、シマフクロウなど絶滅危惧種の生息地であることなどから、2005年7月に世界遺産に登録された。