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特集

誌上暑中見舞交換
日本の世界遺産

姫路城(兵庫県)

1993年登録

日本に12カ所しか現存しない、江戸期以前に建造された天守を有する城郭で、松本城・彦根城・犬山城と並ぶ国宝四城の一つ。とくに、築城以来の姿をよく残していることなどから「天下の名城」、「日本一の名城」と称されことも多い。

白鷺城の別名の通り、鳥が羽を広げたような優美な姿とともに、戦国時代の要害として無駄のない実用的な構造を併せ持つ点が、見どころだ。

築城者は南北朝時代の赤松貞範とされ、山陽道上の交通の要所に置かれたことから羽柴(豊臣)秀吉など有力武将が城主として入った。

17世紀初頭、池田輝政によって現在の天守等が築かれ、18世紀中葉から徳川譜代の酒井氏の居城となった。

大天守、小天守、渡櫓等8棟が国宝、74棟の各種建造物(櫓・渡櫓27棟、門15棟、塀32棟)が重要文化財。来年から5年に及ぶ「平成の大修理」が予定されている。

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厳島神社(広島県)

1996年登録

厳島神社のある厳島(宮島)は「安芸の宮島」と呼ばれる日本三景の一つ。古代より島そのものが神として信仰の対象とされ、593年、有力豪族であった佐伯鞍職が社殿造営の神託を受け、御笠浜に社殿を創建したといわれる。

平安時代末期に平家一族の崇敬を受け、1168年ごろ、平清盛が現在の社殿を造営。「満潮時には海に浮かぶ」画期的な構造の神社が完成した。

シンボル的存在の海上大鳥居は高さ16メートル。6時間周期の干潮には陸続きとなり、徒歩で鳥居の下まで行くことができるほか、満潮時には鳥居をくぐる参拝遊覧船も運航される。

朱塗りの本殿は、建物前面だけではなく、背面にも庇を設けた独特の建築様式(両流れ造り)で、京都の松尾大社と並び日本でも珍しい様式だ。

1996年12月、神社のほか、大鳥居が立つ前面の海、背後の弥山を含む島の14%が世界遺産に登録された。

「本社本殿、幣殿、拝殿」や「廻廊東廻廊」など6棟が国宝に指定されている。