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ビジネスレポート

「マグロを食べに清水に行こう!」
地域資源活用トーク&シンポジウムを開催

静岡県中央会

村松氏、千葉氏、渡邉氏、花井氏(右上から時計回り)の4人が清水を熱く語った。

静岡県中央会は、8月29日、静岡市清水区の清水テルサで「しずおか地域資源活用トーク&シンポジウム」を開催した。

同シンポジウムは、本会が昨年、中小企業基盤整備機構の「地域資源活用企業化コーディネート活動等支援事業」の採択を受け、その一環として実施したもの。

静岡市の地域資源であるマグロやお茶、わさびを核に新たな滞在体験型観光・サービスを創出するため、業界や行政、専門家らによる「しずおか地域資源活用研究会」を発足させ、研究を重ねてきた。

会場には、料理飲食業、ホテル旅館、茶業などの業界関係者、行政担当者など130人を超える参加者がつめかけた。

パネリストに、清水出身の直木賞作家村松友視氏、富士宮やきそば学会会長渡邉英彦氏、女性すし職人千葉由美氏を招き、コーディネーターをしずおか地域資源活用研究会のメンバーで地域活性化戦略研究所所長の花井孝氏が務めた。

村松氏は、「清水は恵まれた土地であるが故に、”得体の知れないゆとり“をもつ人が多く、とことんまでいっても危機感がない」と作家らしい比喩で清水人の気質を表現。

「マグロで有名な青森の大間や神奈川の三崎には、土地の文化と一体になった思いや物語性がある。清水という土地を愛でることが、物語や思いをつくる地ならしになるのではないか」と説いた。

富士宮やきそばの知名度を全国区に押し上げた仕掛け人である渡邉氏は、「うまい、から富士宮に焼きそばを食べにくるのではない。人は話のタネを求めてそこに行く。行ってみよう、買ってみよう、食べてみようと思わせる仕掛けが重要」と自身の経験を披露。

「想定外の組合せが付加価値を生む。例えばマグロを食べて頭が良くなろうツアーなどの企画も必要だ」とユニークな切り口を示した。

草薙の「魚竹寿し」の2代目で女性寿し職人の千葉氏は、「日本人は大の寿し好きだが、カウンター越しに寿しを食べる人はまだまだ少数派。すし屋は高い、という先入観をひっくり返し、敷居を低くしたい」と意気込みを示した後、「情報発信ツールとしてのブログの効果は大きい。ブログを通じ、知り合った人たちとのつながりから、新たな商品が生まれることもある」とブログによる情報発信の効用を述べた。

コーディネーターの花井氏は、「地域ブランドとは、市況に左右されない存在感、冠をもつもの」と定義した上で、「存在感、冠とは、希少価値、技術、歴史に加え、消費者やマーケットからの信用や信頼の積み重ねを意味する。だが、信用・信頼の上にあぐらをかいては、すぐにその座を追われる。次々と仕掛けを繰り出すことが必要だ」と仕掛けの重要性を説いた。

対談会の後、参加者からは、清水の地域資源活用に対する活発な意見や質問が多く出された。