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特集

組合による
「地域ブランド」(地域団体商標)活用のすすめ

地域団体商標登録のポイント

情報収集

地域団体商標制度がスタートとして2年半が経過し、県内でも多くの「地域ブランド」が誕生するなど、その知名度は高まっているが、内容まで熟知している組合は少ない。

このため、制度の内容や効果、商標出願・登録査定の事例や課題などを、説明会や相談窓口、専用WEBサイトを通じ、積極的に情報収集し、明確にすることも欠かせない。また、商標出願手続きマニュアルだけではなく、特許庁の担当官や弁理士などからの「裏情報」や、既に商標出願・登録査定を行った県内外の先進組合から、実務的な課題などを収集することも効果がある。

出願商標に関する準備

出願しようとする商標や商品、役務と同一または類似するものが、既に他人に出願や登録されている場合は、登録されないこともある。

また、他人の出願・登録がなくても、登録できるとは限らないため、どのような商標が登録にならないかも事前に確認しておく必要がある(図表6)。

図表6

求められる意思の統一

前述したように商標を出願するためには、出願人要件がある。要件を満たさない任意組合や組織、個人は、新たに組合の設立か、法人格を有する組合に再編する必要がある。さらに、既存組合内で調整が難しい場合は、一部の組合員などで新たに組合を設立し直すケースもある。

出願準備に向けては、組合員全員による出願意思の統一が必要であることから、組合内をまとめ上げる強いリーダーシップも求められる。

周知性の証明資料作成に関する準備

出願の際に一番問題となるのが、「周知性の証明資料」の作成である。

特に注意する点は、特産品としては有名だが、出願人と関係がない、または関係を証明する資料がない場合だ。

この場合、出願人が使用している事実を証明する資料を提出しなければならない。

この周知性を証明するために、出願商標の商品やその包装、出荷用ダンボール箱、写真、パンフレット、出荷伝票・注文伝票等、該当資料を収集し、審査する立場に立ち整理しておく。

さらに、数年前の書類を求められることも多いため、近く商標出願を行う予定がない場合でも、将来に備え、準備・整理を万全にしておく。

以上のように資料作成には、多大な労力と時間を要するため、地域を上げての取り組みが必要だ。

出願手続き

商標登録の出願手続きは、煩雑で専門知識を要するため、弁理士へ依頼することが多い。しかし、初めて行う場合は、弁理士への問合せも不案内のため、事前に専門家士リストを作成したり、信頼できる専門家とコンタクトをとるなど、十分な準備が必要だ(図表7)。

図表7 商標登録出願の流れ(拡大図を見る