静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2008 May No.654 月次景況調査からみる平成19年県内中小企業の景況-原油価格や原材料価格の高騰などが収益を圧迫- 本会では、県内中小企業の景況を迅速かつ的確に把握するため、様々な地域や業種の組合役職員87名に情報連絡員を委嘱し、景況調査を毎月実施している。 連絡員から寄せられる景況に関するデータや業界の動き、要望などの情報は、本会で取りまとめ、行政や関係機関への提供を通じて、中小企業施策への反映やその資料として活用されている。 トピックスでは、昨年、連絡員から寄せられた「売上高」、「収益状況」、「業界の景況」の主要3指標を中心に、平成19年(1月から12月まで)の県内中小企業の業況を振り返る。 静岡県中央会における情報連絡員制度の概要
売上高全業種のDI値の年間推移は、3月にマイナス2.3と最も高い値を示すが、9月にはマイナス32.3まで落ち込んだ。 18年度は“前年同月を上回る”水準に向けての力強さが見られたが、本年度は低調に推移した(表(1))。 製造業では、18年度が9ヵ月プラス値を示した反動からか、特に4月以降は悪化傾向が拡大し、過去2年を下回る値を示している(表(2))。 非製造業では、年間を通じてプラスに転じた月が見られない。6月にマイナス8.4と高い値を示したが、前年度の悪化傾向が強かった反動と思われる。 表(1) 売上高(全業種) 表(2) 売上高(製造業) 収益状況全体の収益状況は、9月まではマイナス20後半からマイナス30前半で推移したが、10月以降マイナス40台に転じ、平成15年8月以来の低調な状況となった(表(3))。 製造業では、ほぼ前年並みだった1月を除き、上昇・低下を繰り返し、9月以降は連続して低下。特に12月は、前年のマイナス7.7に対し、マイナス43.6と大幅に悪化した(表(4))。 非製造業は、夏場までは、ほぼマイナス30台で推移していたが、秋口以降、悪化傾向が顕著となり、11月、12月と連続してマイナス52.0に落ち込むなど、厳しい収益状況を示す結果となった。 表(3) 収益状況(全業種) 表(4) 収益状況(製造業) 業界の景況全体の業況は、1月から4月までは、前年とほぼ同等の値を示していたが、5月以降、一転して下降に転じた。10月以降は、マイナス40台を推移するなど、明るい兆しが見られない。 製造業も同様に、1月から4月までは、マイナス10台を示し、ほぼ前年並みの景況であったが、6月から9月にかけマイナス30台、10月以降はマイナス40台に低下するなど悪化傾向が進み、過去2年と比べ、大幅な低下を示した(表(5))。 非製造業では、年間を通じほぼ例年同様推移した。しかし、11月にマイナス52.0、12月にマイナス47.9を示すなど、秋以降景況への不安感が増している(表(6)) 表(5) 業界の景況(製造業) 表(6) 業界の景況(非製造業) その他の指標「設備操業度」は、年間を通じて前年比プラスを維持した18年に比べ、19年は4月以降、マイナスに転じるなど、様相は一変。特に5月以降は、マイナス20前後で推移するなど、急速に低下している(表(7))。 全業種の「雇用人員」では、5月にここ10年では初めてプラスに転じるなど、製造業、非製造業を問わず、過去2年を上回る水準にある(表(8))。 「資金繰り」は、例年、年末に近づくにつれ好転するが、19年は月を追うごとに悪化。非製造業では、マイナス52.0と昨年同月(マイナス18.7)に比べ大幅に悪化した。 表(7) 設備操業度 表(8) 雇用人員(全業種)
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