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トピックス

平成20年度版 全国の中小企業組合の設立動向
年間設立組合数は、605組合。1/4以上が「異業種」による設立。

全国の特色ある設立組合の事例 (平成19年度設立組合)

地域振興

「美濃和紙」のブランドを確立し、地域団体商標の登録を目指す

美濃和紙ブランド協同組合(岐阜県)

  • 業種…和紙の製造又は加工業
  • 組合員…34人
  • 出資金…1,200千円

伝統ある美濃和紙を守り、発展させていくためには、美濃和紙ブランドの確立とともに、その価値を維持していくことが欠かせない。そこで、地域団体商標(地域ブランド)の登録を通じ、「美濃和紙」ブランドの確立や他産地・外国製品との差別化、消費の拡大を図ろうと設立されたのが当組合である(今年3月、組合が出願人となり、国から地域団体商標の登録査定を受けた)。

組合事業の柱は、商標の維持管理に関する事業。組合員の取扱う和紙及び和紙製品に関する地域団体商標「美濃和紙」の維持管理に努めていく。

地域資源を活かした新商品の企画・開発、販売を通じて地域活性化を図る

企業組合四喜彩(秋田県)

  • 業種…その他の事業サービス業
  • 組合員…5人
  • 出資金…250千円

田沢湖を有する秋田県仙北市は県内有数の観光地だが、代表的な名産品が乏しい。

このため、地元の素材を使った新商品を企画・開発し、販売することで、地域活性化を図ろうと設立された。

組合では、地域資源を有効活用した漬け物や加工食品の企画・開発、販売などを中心に事業を展開。

さらに、地元を中心に人気を博している「安藤兄弟」による和楽器演奏イベントの企画など、ソフト面からも地域活性化を目指し、伝統文化の継承・普及を積極的に図っている。

飛騨地方の庶民料理「鶏ちゃん」の周知を図り、地域ブランドの取得を

飛騨美濃鶏ちゃん協同組合(岐阜県)

  • 業種…鶏肉の加工又は鶏肉却工品の販売
  • 組合員…4人
  • 出資金…1,000千円

飛騨地方の庶民料理である「鶏ちゃん」の味を守り、地元のみならず、広く世間に周知するために、関係者らが「鶏ちゃん」の共同販売事業などを目的に設立。

組合として県内外のイベント会場(市町村、飛騨高山展他)、サービスエリアや道の駅に出展し、組合員の加工する「鶏ちゃん」を組合員からの委託のもと、販売する。

将来的には組合として、地域団体商標を取得し、地域ブランドとしての確立を図り、「鶏ちゃん」の味、品質を保護。組合員企業発展のため販路拡大、新商品の開発にも取り組む構えだ。

医療・福祉

株式会社や医療法人等による高齢者や障害者の住環境・生活環境の支援

ぐんま福祉事業協同組合(群馬県)

  • 業種…社会保険・社会福祉・介護事業
  • 組合員…5人
  • 出資金…2,500千円

以前から、草の根的な活動により、高齢者や障害者の住環境・生活環境を支えてきた医療法人や特定非営利活動法人(NPO)、民間企業がメンバー。

小規模事業者であるため、コスト削減、情報の収集発信、従業員教育やその福利厚生等、個々の事業者では、解消しがたい課題を共同で克服すべく設立。

組合では、紙おむつに替わる大人用リユース型布おむつ等の介護用品の斡旋、各種事務処理、看護士やヘルパー・従業員の教育、さらには給食サービス等の共同化などによりスケールメリットを追求していく。

リユース型布おむつは、利用情報をメーカーにフィードバックしながら、より良い商品づくりに結び付けていく考えだ。

食と農

県内初・農業者のみによる事業協同組合の設立

嬬恋キャベツ振興事業協同組合(群馬県)

  • 業種…耕種農業
  • 組合員…4人
  • 出資金…1,300千円

生産量日本一を誇る嬬恋村のキャベツ生産農家による組織化。群馬県内では、農業者だけによる事業協同組合の設立は初めてである。メンバーは、以前から組合の前身である任意組織を通じ、JAを通さず出荷、資材購買等を行っていたが、法人化により仲介斡旋・販売、コスト削減のための共同購買など、事業に厚みを持たせていく。

さらに、新品種導入、土壌改良、生産技術の研究の他、生産調整の回避、新市場開拓を図るべく、キャベツのフリーズドライ化、飲料化等、新たな製品開発により利益率の向上を図る。

「食品鮮度管理士」を有し、適正な鮮度管理を行う事業者が組織化

中部食品鮮度管理事業協同組合(岐阜県)

  • 業種…飲食店、食品卸売又は運輸業
  • 組合員…8人
  • 出資金…1,000千円

生鮮食品を取り扱う事業者にとって、食品の鮮度管理は、大きな経営課題のひとつである。当組合は、食品の鮮度に関する資格(「食品鮮度管理士」)を有する異業種により設立された。

主要事業は、食品鮮度管理に関する共同宣伝事業。食品鮮度管理士の活用や民間研究所の認証規格「FAIn」の取得など、組合員の行う鮮度管理への取組みのほか、組合員の取り扱う生鮮食品の鮮度や品質をPR。食に関する安心・安全を確かなものにしていく考えだ。

環境

資源物の安定供給と信頼される流通経路の確立で経営安定化を目指す

秋田リサイクル事業協同組合(秋田県)

  • 業種…卸売業
  • 組合員…4人
  • 出資金…200千円

回収する資源物の相場は変動が大きく、供給量も不安定な上に、鉄等のスクラップの品質低下が問題となっている。こうした中、資源物の安定供給による製品価格の適正化、信頼される流通経路の確立、適正な再資源化などを目的に組織化した。

組合では、目本再生資源事業(協連)の委託を受け、リサイクル化証明書(リサイクルルートを証明するため発行するもの)の共同購買を実施。適正な資源物の回収ルート確立や、再資源化を進めていく。