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事務局 多士済々

組合事務局は“情報の翻訳機”

静岡県木材協同組合連合会
又平 義和 専務理事

今年5月、県内の木材関連21協組で組織する連合会(県木連)の専務理事に就任した。“生え抜き”職員が都道府県木連の専務理事に就くのは、全国的にも珍しく、本県では60年近い歴史で初めてだ

昭和52年に事務局入りし32年。個性豊かな6人の会長から多くを学び、6人の専務に仕えた。

「歴代会長は、選択提案型、トップダウン型、全権一任型などタイプは違うが、いずれも偉大な経営者。ものの見方、考え方など受けた影響は計り知れません。どの専務もみな“責任は取るから、やってみろ”と好きにやらせてくれた。いろいろ言いたいこともあったと思いますが(笑)。とにかく上司や同僚には恵まれました」

キャリアの大半は企画畑。中でも木に関する広報に力を注いだ。

「業界がいくら“木は良い”と言っても説得力に欠ける。誰もが納得できる科学的な根拠を、と大学や研究機関と連携し、独自のデータ収集に努めてきました」。

木質環境の居住性を科学的に検証した“マウス実験”や“燃える・腐る・狂う”といった木の欠点を克服した部材の開発など、「“PRのためのPR”にはしたくない」との姿勢で、全国的にも例のない先進的な調査研究を次々と手がけた。研究成果はシリーズ“木と木の住まいを考える”として冊子化。分かりやすい解説書として好評だ。

事務局を「得た情報のポイントを正確に掴み、メリハリをつけて会員に届ける翻訳機」と例えた上で、「必要なことはその裏づけ。1ヵ所だけではなく、複数から情報を得て精度を上げる」と情報の裏づけの重要性を説く。

かつて団体報で“時の人”へのインタビューを企画。林野庁長官や海外の要人など、その肩書きに臆することなく話を聞いた。

「創刊百号記念=林野庁長官の取材時は、全木連の専務が心配して立ち会ったこともありました。とにかく人と話すのが好き。性に合っているんでしょうね」と笑う。