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クローズアップインタビュー

“男女共同参画社会づくり活動に関する知事褒賞”を受賞
住む人々が主役のまちづくりを目指して

企業組合ウエルネスプランニング
三宅淳子 理事長

さまざま分野でチャレンジする女性に贈られる“静岡県男女共同参画社会づくり活動に関する知事褒賞”を受賞した。

「生涯チャレンジ。これからもひとつひとつ積み上げていきたい」と心新たに前進を誓う。

都市設計事務所などで公園設計業務に携わり、16年前に浜松の建設コンサルタント会社に移った。

「国や県などから委託を受け、まちづくりに関するプランをつくるのが主な仕事でしたが、計画書を作って発注者に納めて終わり。もの足りなさを感じていました」。

そこに住む人々の視点と思いを取り入れたまちづくりがしたい、との思いは日増しに高まり、平成16年春、会社を退職。まちづくり活動に携る女性の仲間3人と企業組合を立ち上げた。

「周りから、ずいぶん思い切ったね、と言われましたが、迷いはありませんでした」と表情は清清しい。

組合名の“ウエルネス”とは、食・運動・休養(保養)をバランスよく生活に取り入れ、生活の質を高めていこうという新しい健康観のこと。

組合では、自然や歴史、文化、食など地域固有の資源を活かした、ウォーキングや農村体験、イベントなどの体験交流事業を次々と企画する。

「私たちが目指すのは、からだとこころ、そして地域の元気。それを実現するツールが企業組合です」。

地域ブランドのプランナーとして、多くの新商品開発の起案も手がける。いずれも、住民とともに汗をかき、悩み、知恵を出し合う協働作業によって生まれたものだ。

そのひとつが、奥浜名湖地域で昔から愛されるみそまんを使った“奥浜名湖みそまん物語”。

「この地域では12軒の製菓店で、それぞれの味のみそまんをつくっている。これを活かさない手はないと、全店のみそまんをひとつずつ詰め合わせたのが“みそまん物語”。ここに来ていただくことが目的なので、イベントでの限定販売など希少性を持たせています」とアイディアと仕掛けで地域ブランドをつくりあげる。

「私たちの役割は、何が必要なのかを見極め、気づきやきっかけを提示すること。ときには、地域の人たちと激論を交わすこともあります。しかし、やり方に違いはあっても、地域を良くしたいという、目指す頂きは同じ。この“求道存異”の考えを心に刻み、1人ひとりが関り、主役となる地域づくりを進めていきたい」。

高校時代からの大の映画好き。

「観るのはもちろんですが、自分でもつくってみたくなって。地域の風土や人情を織り込みその地の物語を映像にしてみたい」と目を輝かせた。