静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2007 December No.649 聞くと見るとは大違い今話題の街に行った毎年、学生時代の友人12名で旅行に行っている。行先を決めるのは本当に楽しい。今年はどこに行くか悩んだ末、首都圏の話題の場所数箇所を選んだ。 やはりそうなると、今話題の秋葉原をはずすわけにはいかない。 学生時代にはよく行っていた。しかし、実際の秋葉原は、もう全く過去の面影は無い。行った時間帯は日曜日の夕方。マイクロバスで行ったので1番賑やかな所で降りたが、余りの喧騒で落ち着かない。メインの大通りはテレビなどの映像で見るとおり若者で溢れ返っていた。 背中にはリュックのようなバックを背負い、走ってアニメ雑誌を売っている書店を目指している若者が多い。 また、歩行者天国になっているところでは、可愛いコスチュームで着飾った女性を写そうと彼女の周りを、カメラを持った若者が取り囲んでいる。 この一種独特の雰囲気は行ってみないと多分理解出来ないと思う。 肌で感じるこの街については、メディアなどで見て凡そ理解しているつもりでいた。 しかし、私の予想を遥かに超えたエネルギーだった。世界でもこんな街はどこを探してもないだろう。 若者は皆本当に真面目そうだ。いわゆる不良のような若者はほとんど見かけない。自分の世界に浸っている感じだ。きっと家では良い子なんだろうな。 一緒に行った友達が「ここにいる若者は、世界で災害が起ころうと大事件が起きようと興味ないだろうな」とも言った。確かにそう思ってしまう。 そして、びっくりする光景に出会った。若者と喧騒でごった返す街の一角に、昔ながらの電気店が数軒残っていた。店の中を見ると老人が一種独特の表情で通りを見ていた。 「我々はどうしたらいいんだろう、この先」とでも言いたそうな感じだった。 私には強烈な場面だった。異次元の世界に迷いこんでしまったようだ。この店は本当にこの先どうなってしまうんだろう。 先入観は危険自分だけはマスコミなどの報道には惑わされないぞと思っても、やはりどこかで影響されてしまう。 秋葉原に行く前も自分のイメージが出来上がっていた。おたくばかりの賑やかな街だと思っていた。 しかしこの街はある種、日本の現在の縮図ではないかと思った。若年者の雇用問題、ニートやひきこもり、いじめ、変貌する街の中での、古くからある商店の現状。そんなつもりではなかったのに、何故かいろいろな事が次から次へと出て、頭が混乱した。 ただ単に興味本位で行ったところが、大きな宿題をもらってしまった。それと同時に大きな反省も。 やはり自分の目で見る事の重要性。先入観の危うさ。これは生きていく上でも大変に重要であるが、団体職員として仕事をする上では、最も気を付けなければいけないことである。もう一度肝に銘じよう。 (小沢)
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