google

クローズアップインタビュー

全国大会で“優良組合”を受賞
組合活動通じ、茶産地の盛り上げを

川根茶業協同組合
山下 譲 理事長

 

両国国技館で、10月25日に開催された第59回中小企業団体全国大会で、理事長を務める川根茶業協同組合が優良組合として表彰を受けた。

「組合を築いてきた諸先輩の実績が評価された。と同時に改めて責任の重さを痛感します」とトップとして率直な心境を語る。

理事長に就任したのは、今年3月。

「とてもそんな器ではないですよ」と控えめだが、青年部時代、静岡県茶業青年団の団長として県下の若手経営者を束ね、組合では5期10年にわたり副理事長を務めた。いわば、衆目一致での理事長就任だ。

就任から9カ月。組合員間の情報交換や切磋琢磨を通じ、各社の強みや良さを引き出すことに注力する。

「組合員は、青年部時代から言いたいことを言い合ってきた仲間で気心は十分知れている。そうした良い雰囲気を生かして、情報や技術の共有を一層進め、その相乗効果で産地全体を盛り上げていきたい」。

今年5月、組合が申請した“川根茶”が地域団体商標=地域ブランドとして国から登録認定された。

「これはあくまでスタート。地域ブランドに恥じない商品づくりが一層求められるし、販促活動との効果的なリンクも必要だ」とその先を見据える。

生産者との連携強化にも積極的に取組む。

「行政やJAと連携しながら、生産指導やエコファーマー認定取得など生産者との関係を深めたい」。

川根地域の基幹産業であるお茶。組合と行政とのパイプは太い。しかし、組合員が所在する旧川根三町は、本川根・中川根両町が川根本町として再編され、川根町も来年4月に島田市との合併を予定する。

「組合は島田市との間に全くパイプがない。いかに島田市に対し組合をアピールし、信頼関係を築いていくかが、当面の課題です」。

株式会社山関園製茶社長。昭和45年、21歳で父と創業した。

「高校卒業後、2年ほど地元の農協に勤めたが、商売やるほうが人生楽しそう、と同じ農協に勤めていた父を口説き落とし、開業した」。

創業当初の製造・卸に加え、緑茶喫茶やギャラリーを併設した直販施設の立ち上げ、浜松市の大型商業施設への出店など、父との二人三脚で事業を拡大してきた。

「父がいたからこそ、ここまで出来た」と良き事業パートナーでもある父への感謝の念を常に忘れない。

「趣味は日本酒を飲むことくらいかな。でも酒そのものよりも、酔うことが好きなんだよ」と笑う。