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静岡県重機建設業(工)
 事務
山川安豊

 奉仕の心もつ硬骨漢

 組合運営でも公平貫く 

  「本当は物理の先生をめざしたんだよ。高校時代の退屈な授業。オレならもっと上手く教えられると思ってね」。ある種の反骨精神、奉仕の心、そして無類の人間好き。それは、昔も今も変わらない。
 大学中退後、学習塾や生活協同組合で働いたりもした。満たされない何かを感じていた昭和五四年、設立したばかりの中部重機協同組合の求人募集を目にした。
「静大の生協理事も経験あるから、ロッジデールはもちろん、組合法も知っていた。それに、普通のサラリーマンと違う魅力を感じた」。
 簿記や行政書士、危険物取扱乙種など数々の保有資格に加え、交友の広さは組合事業を助けた。その動きは勢いを増し、県重機工建設業工業組合や職業訓練法人静岡建設学院の発足に際しては、中心人物として奔走。また、中国人研修生の育成にも情熱の限りを尽くした。昭和六一年に組合が受け入れた十○人の一期生は、今や浙江省の幹部として活躍中だ。
「浙江省が高速道路建設では中国一を誇るのは、冗談抜きでウチの組合のおかげなんだよ」と笑う。
 組合運営のコツは、オープンでえこひいきしないことと言い切る。「たとえ理事長に対してでも、公平中立の立場をまっとうできるか。そこに事務局の力量が問われる」。 昭和五七年、病室の理事長を次期理事長と共に訪ねた。この時、理事長は後任者に言った。
「世に事務長をクビにする理事長は数多いが、理事長をクビにする事務長はこの男だけだ。気をつけろ」と。豪腕理事長で鳴らした彼流の褒め言葉でもあった。
職業訓練校静岡建設学院では十七年度の訓練生を募集中。建設機械の技能講習などで二一項目の資格が取得できる。詳細は当学院まで。
 藤枝市潮一〇七-二 TEL:054-644-2722



中小企業静岡(2005年3月号No.616)