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●I N T E R N E T●
「情報化最前線」
組合で活用するインターネットとパソコン通信

インターネット調査結果速報と
ホームページ・パソコン通信ネットワークの事例を紹介



 コンピュータを繋いで膨大な情報が世界を駆けめぐるインターネット。小型のコンピュータをつなぎ
合わせた地球規模の超大型コンピュータといったところだ。
 このインターネットは、活用次第では、多様な情報の収集に役立つばかりか、自らの情報を世界に向けて気軽に発信する道具にもなる。
 中央会では6月に県下会員組合を対象に「インターネット活用・組合情報化に関するアンケート」を実施。この結果を速報するとともに、パソコンネットを活用して組合員の事業を支援する組合やホームページを作成してインターネット上で情報を発信する組合の活動を紹介する。


CHAPTER 1
中央会が取り組む情報化対策
中小企業情報創造発信強化支援事業

情報交流の場作りで新たな連携を期待

 中央会では、今年度から「中小企業情報創造発信強化支援事業」に取り組む。
 この事業は、新たな取引や事業の連携が活発化することを目指して、インターネットを利用しながら組合や組合員のあらゆる情報を受発信できるシステムを構築しようというも
の。
 情報の受発信には、中央会自身が「ホームページ」を作成するほか、組合が作成するホームページに対しても資金面を含めて積極的に支援していく。
 今年度は、同様の趣旨で全国中央会を含む10の中央会がこの事業に取り組んでいる(実施中央会は本章最後に記載)。
 全国中央会をはじめ、他の中央会や関連機関ともリンクしながら、この事業で集積された情報が、より多くの人に活用されるよう力を入れていく

新しい広告媒体「ホームページ」

 ところでこのホームページとはどのようなものか?
 一言でいえば、インターネットを使った“新しい広告媒体”である、といえそうだ。
 では、TVや雑誌等のコマーシャルとの違いは何か。整理すると、次の3点があげられる。
1.広告費用が安価であること
 新聞や雑誌等への広告掲載はそれなりに費用がかかるものだが、ホームページは、比較的安価に作成できる。
2.距離や地域の制限がない
 インターネットに乗せることで地域を限定することなく世界中に情報が発信できる。一地方の商品やサービスが全国区になることもあり得るのである。
3.双方向性がある
 従来広告といえば、提供者側から一方的に情報を流しているが、ホームページでは、工夫次第で“双方向性”を持たせることができる。つまり、提供者と利用者が対話しながら情報収集や提供が可能になるのである。

ホームページの課題は何か

 さまざまな可能性を秘めたホームページは各企業で盛んに取り組まれているが、生活者レベルでは、日常性というステータスを獲得しているとはいえない。
 TVコマーシャルのように自然とそれに目がいく環境ではないだけに、生活者がホームページにアクセスしてみたくなる魅力が必要になる。それだけに、作成当初に内容を十分吟味するとともに、盛り込まれた情報を随時更新していく努力が大変重要になる。

◆本事業実施予定中央会
 全国中央会、岩手、宮城、千葉、静岡、愛知、富山、島根、香川、
 佐賀の各県中央会

CHAPTER 2

組合の情報化対策の現況
中央会アンケート調査より

 中央会では、この六月に「インターネット活用・組合情報化に関するアンケート調査」を県下の会員組合に向けて実施した。
 この調査では、組合事務局の情報化機器導入状況、ホームページ開設状況、今後の方針等について聞いている。
 調査結果は、中央会が今年度から取り組む、インターネットで情報を受発信するシステムの構築や、組合等のホームページ開設を支援していくための基礎資料として活用される。ここでは、この調査結果から県内組合の現況を掴むことにする。
【調査概要】
 調査対象:中央会会員組合 1、213組合
 調査方法:郵送によるアンケート調査
 調査時点:平成9年6月
 有効回答:361組合(回収率30%)

パソコン保有組合が増加

 まずはじめに、情報機器の保有状況について、九四年に行われた調査と今回の結果を比較しながら見てみることにする。
 組合で保有する情報機器のトップは、前回・今回とも「ワープロ専用機」。これに「パソコン」が続いている。
 この2回の調査結果を比較して特徴的なのが、今回の結果では「ワープロ専用機」保有率が減少し、かわりに「パソコン」の保有率が増加した点だ。「オフコン」の利用も若干減少傾向にある。
 また、パソコンネットワークを利用しているという回答は全体の1割程度だが、前回ほとんど回答がなかったこと(0.5%)を見ると、増加傾向にあることが伺える(CHART-1参照)



組合での通信利用状況を見る


 このところ特に話題を呼んでいるパソコン通信とインターネット。最近では、個人でホームページを楽しむ人も増えてきた。
 組合での活用状況を見ると、
パソコン通信を利用していると回答した組合は、全体の2割弱。一方インターネットを活用している組合は1割弱であった。
 中央会では、平成7年3月にCネットを開局したが、今回の調査で「パソコン通信を利用している」とする組合の7割強が、このCネットに参加している。
 通信システムを今後利用したいと考えている組合は、パソコン通信が9%。インターネットは13%という結果だった。

インターネットの活用方法

 最近新聞や雑誌の誌面を賑わせている「インターネット」。未体験者にとっては、一体これで何をするのか? という素朴な疑問が湧いてくるのも事実。
 今回の調査で「インターネットを活用している」と回答した組合が、このツールをどう生かしているかを聞いた。
 まず最も多く利用しているのが、WWWブラウザ(インターネット上で提供されるホームページを見るためのソフト)での情報収集。これに電子メールの受発信が続く。
 一方、今後利用したいと考えているのが、ホームページを開設し情報を発信するというもの。
 前章でも触れたが、ホームページは、比較的安価に地域を限定することなく情報が発信できる。ホームページを新しい情報発信媒体として注目していることが伺える(CHART-2参照)



117組合が中央会インターネット事業への参加を検討


 中央会が実施する「中小企業情報創造発信強化支援事業(中央会インターネット事業)」(詳しくは前章参照)に参加を希望する(または検討する)と回答した組合は117組合。
 また資金的な支援を得ながらホームページを作ろうという組合が72組合。独自で制作し、この事業に参加したいとする組合も8組合あった。
 このインターネットを活用するという新しい試みに、スムーズに組合が取り組むことができるよう、中央会ではさまざまなテーマでの研修会開催も予定している。。

実践的な分野にも意欲的

 それでは、この事業に参加を希望する組合は、ホームページ上にどのような情報を盛り込みたいと考えているのか。
 掲載したいと考える項目に大きな開きはないが、組合や企業の紹介が82件と第1位。
 これに次いで、共同事業や商品・製品・サービスの紹介が71件という結果が出た。
 また受発注や販売、取引・連携・交流の希望、人材の募集といった実践的な分野についても希望する組合が多く見られた(CHART-3参照)


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 中小企業静岡(1997年08月号 No.525)
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