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静岡インターネットビジネス協同組合
▲組合のホームページ。アドレスは
(http://www.crosswave.co.jp/sibc/index.html)
きめ細かくインターネット導入を支援

技術を結集し、大手に対抗
 世界規模のコンピュータネットワークとして注目を集めるインターネット。最近では組合がホームページを開くなど、共同事業の中にインターネットを活用しようという動きも目立っている。- そんな中で昨年8月に設立されたのが静岡インターネットビジネス協同組合。ソフトウエア業やコンサルタント業を行う6社が、各社のノウハウや技術を持ち寄って活動している。
 主な事業はインターネットに関する商品やサービスの共同受注。企業がインターネットを導入するための企画や教育、システム開発、ホームページ作成など、その全てを受注する。ソフト開発業者からプロバイダの運営業者、中小企業診断士など、さまざまな分野のスペシャリストがそろっているからこそできることである。
 「顧客へのコンサルティングから始めて、細かい要求に応えながらその企業にもっとも適したシステムを作る。大手にはできないきめ細かなサービスで、地域に密着した営業をしていきたいと考えています」
(稲葉理事長)

組合にも積極的に支援
組合員は、設立前から本業の一部として、それぞれにインターネット関連の仕事を行っていた。
 「小規模の業者ばかりですが、競争が厳しいソフトウエア業界で生き残ってきているわけですから技術は高いと自負しています」(同)
 しかし大企業に対抗するためには、どうしても設備や人材が不足しがちなのも否めない事実。そこで、取引関係があった各社の技術を結集して競争力を高めるため、組織化に踏み切った。
 「中小の業者が官公庁や企業から仕事を受注していくためには、公的に認可を受けた組織で活動した方がよいと考えたんです」と協同組合による活動を選んだ理由を語る稲葉理事長。インターネット関連業者による組合は県内では初めてである。
 組合で最初に手がけた仕事は、中央会の助成事業である中小企業マルチメディア対応調査研究事業。この事業に取り組んだ伊東商業協同組合を専門家として支援し、組合員の研修の講師やホームページの公開、各種調査の企画・集計などを行った。また、今年2月には中央会が開催した「組合まつり」に出展。他の出展組合のホームページを作成するなど、県内組合のPRに一役買った。


▲組合員の平均年齢は35才と若い

中小企業にこそ大きなチャンスが
 ここ1〜2年のブームの中で、企業のPRや受発注の手段としてインターネットを活用する事例が増えてきた。しかし、多くの中小企業にはそのためのノウハウがなく、大企業に比べてインターネット活用は遅れがちである。
 「しかしインターネットはむしろ中小企業に有利な世界なんです。多額の費用や設備を使わなくても情報発信ができる。大企業にも中小企業にも平等にチャンスが与えられているんです。我々はそんな中小企業がインターネットを活用して新しいビジネスチャンスを拓いていくお手伝いができればと考えています。ぜひ声をかけていただきたいですね」(同)
 設立から一年。組合では毎月1回の定例会議のほか、パソコン通信を使った電子会議で情報交換を行ってきた。
 「以前はインターネットビジネスの一部にしか携わってこなかったが、組合に参加したことで視野が広がり、仕事の幅も広がった」と組合員は声をそろえる。
 組合員の平均年齢は35歳。今後一層成長が期待されるインターネットビジネスの世界で、その若さと技術を活かした活動が期待される。


▲今年2月の組合まつりにも出展した


 中小企業静岡(1997年08月号 No.525)
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