
▲「天城会館」は、町の文化と湯が同時に味わえる贅沢な施設
伊豆半島のほぼ中央に位置する
天城湯ヶ島町―――。
渓谷や森林に広がる素晴らしい緑を堪能しながら、同町産業観光課の森下主幹にお話を伺った。
昨年6月に「天城会館」がオープンしたそうですね。
「天城会館には、町の天然温泉をふんだんに使った温泉館を中心に、演劇などが楽しめる天城劇
場ホール、木下順二氏が創作した戯曲夕鶴に関係したものを展示した夕鶴記念館があります」
中でも温泉施設の7つのユニークな風呂がご自慢だとか…。
「温泉館内は、裸浴と水着を着て入る水着浴の2つに分かれていて、裸浴には、天井にプラネタリウムを施した天空瞑想の湯や町の名産であるわさびを栽培するわさび田をイメージしたわさび田の湯が、また水着浴のコーナーには、井上靖の代表作『しろばんば』の名をいただいたしろばんば出会いの湯等があり、それぞれ遊び心のある温泉がお楽しみいただけます」
今お話の出た井上靖の『しろばんば』や川端康成の『伊豆の踊り子』など、この地にゆかりのある文学作品も多いと聞きます。
「伊豆の踊り子を読んで、旧天城トンネルを訪ねた方も多いんじゃないでしょうか。
また高さ25メートル、幅7メートルの男性的な滝で知られる浄蓮「天城会館」は、町の文化と湯が同時に味わえる贅沢な施設の滝は、天城山随一の名瀑として知られていますが、この周辺には観光施設や天城名物のわさび田などがあり、毎年大勢の観光客で賑わっています。ここには、伊豆の踊り子が通った踊り子歩道の起点として踊り子のブロンズ像が飾られています」
浄蓮の滝からさらに南に下ったところにある昭和の森会館内には、天城や伊豆にゆかりの作家の資料を展示した伊豆近代文学博物館があるほか、井上靖が幼年期を過ごした旧邸が保存されている。
また井上靖の命日にちなんで、毎年1月に、町内外の小・中・高校生から作品の感想文を募集しコンクールも開かれている。
さああなたも、かつての文士達が愛したこの町を訪ね、名作をより深く味わうを楽しんでみてはいかがだろうか。

▲真夏でも涼しげな風が心地よい「浄蓮の滝」 |