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編集室便り

各省庁が発行する年次報告書、いわゆる「白書」は数十種にのぼる。中でも今年、刊行46年目を迎える「中小企業白書」は、発行部数約3万部と言われ、白書類で一、二を争う「ベストセラー」である。これら白書類には、そのエッセンスを表す「副題」が付けられることが多い。

中小企業白書に副題がお目見えしたのは、高度経済成長真っ只中の昭和44年のこと。タイトルは「先進国への道と中小企業」。

石油危機を経た40年代後半から50年代はじめは「試練」ということばが目立ち、中小企業の国際化が進む50年代後半から60年代は「拓く」や「挑む」が多用されるなど、白書の副題には時代を映すキーワードがちりばめられている。

先ごろ発刊された中小企業白書のサブタイトルは、「イノベーションと人材で活路を開く」。

かつてない厳しい状況にある今だからこそ、攻めが必要、という姿勢が印象的だ。 (住川)