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事務局 多士済々

「最少の費用で最大の成果を」 創意工夫で共同施設を運営

岳南第一製紙協同組合
嶋田修治 常務理事・工場長

平成6年9月、大手製紙会社を退職。富士市の製紙業者が組織する協組に迎えられた。

組合事業の柱は、製紙工程で発生するペーパースラッジ(製紙汚泥=PS)の共同処理。2回にわたり高度化資金を利用し、共同施設を設置・拡張した。

工場長就任以来、焼却炉燃料の転換による処理コストの大幅削減や新たなPS処理技術の開発・特許取得、99.9%以上のPSリサイクル率達成など、常に次なる一手を打ち続ける。中でも力を注いだのは周辺環境への配慮だ。

「PSを焼却する際に発生する焼却臭は、風向きによってはとんでもないところで臭うこともある。
これを抑えることが最大の懸案でした」と振り返る。

前職の製紙会社では、工場・設備改善の立案や設計を担当。その中で環境・省エネ分野へも参画、諸設備の問題点の解決を手がけてきた。「最少の費用で最大の成果を」と培った経験や知識を活かした臭気対策が始まった。

「水による洗浄や薬品を用いたマスキングなど、様々な方法を試みたが、どうしても臭いが残る。
試行錯誤の末、辿りついたのが高温酸化方式だった」。

平成16年に設備を導入。長年の課題だった臭気問題を解消した。組合の工場は、4組3交代で年間稼働日数は340日にのぼる。

「設備の磨耗や劣化、腐食などに加え、ふとした気の緩みがトラブルや事故につながる。現場の情報を途切れることなく、全員で共有するためにも、“ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)”は極めて重要」とその徹底を図る。

20代から親しむスキーに加え、数年前から始めた夫人との山歩きが休日の楽しみだ。

「スキーは、一面銀世界のモノクロの風景を、初夏から秋にかけての山歩きは、緑や紅葉溢れるフルカラーをそれぞれ楽しめる。同じ山でも季節ごとに違った魅力が堪能できる」と奥深い。