静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2009 May No.666 取り付け簡単 木のやさしさ伝える
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所在地:周智郡森町天宮383番地 TEL:0538-85-2128 FAX:0538-85-0312 代表者:安間慎一 代表取締役 所属:太田川木材協同組合 ほか |
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同社が扱う割り箸は30種近くにのぼる。 |
周智郡森町の安間製箸(株)は、現社長の祖父が昭和12年に割り箸の製造販売業として創業。70年を超える歴史をもつ老舗だ。
「戦前は檜材を利用した丸箸、戦後は松材を原料にした大量生産品が中心。アイスキャンデー棒も扱い、戦後の物資不足の中、飛ぶように売れた、と祖父らから聞かされたものでした」と3代目の安間慎一社長。
ひとくちに割り箸といってもその種類は、驚くほど多彩だ。あらゆる用途で使用される小判箸や元禄箸、和食で使われることが多い利久箸、最近人気が高まっている竹箸、高級割り箸の代名詞天削箸や“卵中”など、同社が扱う箸は30種近くにのぼる。
現在、国内で1年間に使用される割り箸は約250億膳。国民1人あたり年間200膳を使っている計算になる。だが、国産の割り箸は全体のわずか2%で、残りはほぼ中国からの輸入品という状況にある。
安間社長は、「今後、環境負荷や省資源などの観点から、消費量はかなり減るでしょう。現在のようにタダ同然で使える時代は終わるはず」と予見する。一方で「私が小さいころまでは、割り箸といえば“ハレの席”で使う特別な存在だった。1席数万円の宴席で一膳100円の箸があっても決して贅沢ではない。今後は吉野材など国産材を使用したこだわりの商品を扱っていきたい」と高付加価値商品の開発に意欲をみせる。
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「文字やイラストをレーザーで焼 き付けることもできます」と安間 社長。グッドデザインしずおかを 受賞したそのデザインは木のやさ しさと温もりを伝える。 |
割り箸を取り巻く状況が大きく変わろうとする中、新たな事業の軸模索。誕生したのがフレーム付き木製ブランド“風祭”である。
「10年ほど前、中国に出張したとき、目に留まったのが木のブラインド。ずっと頭に残っていました」。
その後、訪中するたびに木製ブラインドを扱う工場を訪ねたり、国内で販売されているブラインドを取り寄せるなどし、研究を重ね、平成14年に商品化に成功した。
その最大の特長は取り付けが極めて簡単であること。
「お客様の窓枠ピッタリに仕上げたブラインドとフレームをはめ込むだけ。女性にも手軽に取り付けられます。いかに苦労せず取り付けられるかに腐心しました」。
マジックベルトで固定するため、取付金具など金属部品は不要。従来、ネジ留めの傷などからブラインドの取り付けができなかった賃貸住宅にも使用できるなど、用途は広い。さらに右操作用と左操作用を用意。操作性にも配慮した。素材はバスウッドを使用し、軽く、ほとんど反り曲がりはない。
「スチール製にはない木のやさしさや温もりを感じる、とリピーターも多いですね」と確かな手ごたえを感じる。
同社のウェブサイトを利用したネット販売が中心だが、東京の大手雑貨量販店からも引き合いもあるなど、市場の評価は高い。
「発売から7年を経たが、お客様からのご意見やご要望を取り入れ、常に進化し続けるのが“風祭”。完成形はありません」。
今後は木造住宅を手がける建築士やインテリアコーディネーター、工務店などを通じ、新たな販路を拓いていく考えだ。
中小企業静岡(2009年5月号 No.666) |
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