静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2006 November No.636 若い労働力で企業に活力を!中小企業の七・五・三現象中小企業の七・五・三現象というものをご存知でしょうか?中学校、高等学校、大学の新規学卒者のそれぞれ7割・5割・3割が入社後3年以内に早期離職してしまう確率を表したものです。早期離職者の中には、定職に就かず職を転々とする“フリーター”や仕事にも学業にも就かず家に引きこもりの状態になってしまう“ニート”になる若者も増加傾向にあり、そのことは社会問題化しております。若手社員の早期離職は企業にとっては労働力不足を招くとともに、若者自身にとっても若い時期のキャリア形成ができず、自身の将来設計に大きな影を落としています。 若者を採用したくても…昭和22年から25年生まれのいわゆる“団塊世代”の定年退職が来年度から本格的に始まります。 俗に“2007年問題”とも呼ばれ、来年度から3年間の間に全国で約300万人もの労働者が退職し、業務の第一線から退きます。若年労働者への技術・技能の伝承が思うようにいかなくなるとの予測とともに、退職者増加による労働力不足が表面化することなど、様々な悪影響が現在から予測されています。 各企業では定年退職者の代替に若者の採用を検討するものの、折からの少子化の影響から採用活動が計画通りにいかない場合も十分に考えられます。現に平成19年3月卒の新卒学生の就職活動においては、バブル崩壊後の就職氷河期は完全に姿を消し、バブル全盛期以来の売り手市場になっているとも言われております。大手企業においては、昨年の2倍・3倍もの学生に内定を出している企業もあるようです。このように若手社員の採用がままならない状況においては、企業側としては、縁あって入社する若手社員の早期離職を未然に防ぎ、一時も早い戦力化を図っていくことが重要となってきます。 職場定着支援事業本会では、昨年度から静岡労働局より委託を受けて“若年労働者の職場定着支援事業”を実施しております。当事業では、若年労働者の早期離職率が依然として高水準に推移している中、若手社員を早期離職に至らせないための職場環境づくりを目的に事業を実施しております。本年度は昨年度に引き続き、県内企業に勤務する若手社員(入社約3年以内の概ね30歳以下の若者)を対象に職場におけるコミュニケーションの重要性や仕事を効率的に進める上で重要な“5S”の基本的な進め方について研修を行うとともに、個々の目標設定や問題解決の仕方についてのグループディスカッションを開催致しました。また、各企業の管理職の方を対象に、若手社員のやる気を引き出す為のコーチング理論の理解と実践の仕方についてのセミナーも開催致しました。若手社員の職場定着については、本人の自助努力は絶対的に必要ですが、早期離職に至らせない為の職場環境作りも今後は更に必要となってくるでしょう。 若い力で企業に活力を!今一度考えて見てはいかがでしょうか。 (菊池)
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