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オンリーワン企業
(株)山崎工業の挑戦
 
多角的連携で
鋳仕上げ工程を半自動化
 
▲1回の段取りで五面加工を可能にした
“門型五面バリ加工機”『がんバリ君』
(株)山崎工業 沼津市大岡221-1
 tel0559-21-9527
  東芝機械協力(協)の組合員であり、東芝機械沼津工場の協力企業として活躍する(株)山崎工業(山崎亨社長)では、鋳物製造過程で発生する「バリ」を取り除く工程を半自動化した門型五面バリ加工機”『がんバリ君』を開発。鋳物業界を中心とした企業から大きな反響を呼んでいる。
 同社は、鋳仕上げ業として、昭和四〇年に設立。現在は、このほか、産業機械のフレームなどの内部の歪みを除去する“熱処理”部門をはじめ、金属表面処理(スケール除去)や機械加工の四部門を手がけている。
 従来、鋳仕上げには、作業者が、バリ取り用の道具を手に持って加工しているためハードな作業となることや、粉塵が発生するなど、作業環境の悪化が問題となっていた。
 このたび開発された『がんバリ君』は、十五年前から山崎社長を中心に社内で研究を重ね、三年前から本格的に開発に取り組み、今年二月に完成した。
 この加工機の最大の特長は、砥石カバーの角度がワンタッチで変えられる点だ。これによって、一回の段取りで五面の加工を可能にし、時間もこれまでの三分の一に短縮できるものもある。また未経験者でも、遠隔操作で簡単に作業できるよう工夫したほか、人工ダイヤモンド砥石を使用することで粉塵の発生を少なくし、良好な作業環境が維持できる。
 開発にあたっては、東芝機械協力(協)傘下組合員の協力を得るなど、他の企業とうまく連携しながら開発に取り組んだ。
 また、鋳仕上げ加工という特化した分野で、長年培ったノウハウを生かしながら、地道に社内の身近な問題の解決に努力してきたことも、今回の成果に繋がる大きな要因となった。
 厳しい作業環境を改善しながら、作業効率を高める「がんバリ君」。その“ガンバリ”に、同じ悩みを持つ企業からの注目はさらに高まりそうだ。

中小企業静岡(1997年 4月号 No.521)