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東西見聞録  組合にしひがし  あるある全国おもしろ組合  300字登場 編集室便り

 
 いまから二五年前、時の竹山祐太郎知事を団長とする静岡県訪中代表団の訪問を契機として、本県と浙江省との友好提携が結ばれた。
 私が、偶然にもの姿をみたのは、昭和四八年四月二日、帰国途上の北京空港であった。独裁体制国家としては、奇跡といわれた“復活”後に、はじめて公の場に現われたその日であった。
 それ以前失脚前の一度、接見の機会を得たこともあるが、もはやを除いて、現代中国を語ることはできなくなったと思う。
 当時、中国に入るには香港経由で、その結接点である――。それは文字通り、深い草の茂る湿地帯であった。今日の深は、超高層ビルの林立する巨大都市に変貌している。その姿を目のあたりにするにつけ、氏の力の(改革・開放政策)、その大きな効果に驚嘆せざるをえない。
 私は思う―――。第二次大戦後の世界で、地球規模で、最も重要な役割を果したのがその人である。もしもなかりせば、天安門事件とは全く比較を許さないほどの、血で血を洗う、大動乱が中国各地で起っていたであろう。そのことは、日本はもとより全世界に計り知れない影響をあたえていたことは、想像に難くない。
 さて、我々中小企業のリーダーが、の生き様から学ぶべきことは何か。
 それは、指導者たる者が備えなければならない識見・判断力そして果敢な実行力であろう。
 同時にまた、リーダーがリーダーたる役割を果たさなかった場合の、責任の重大さを常に自覚すべきことではなかろうか。
静岡県中小企業団体中央会・会長

中小企業静岡(1997年 4月号 No.521)