google

クローズアップインタビュー

組合事務局は“万能”であれ
全国3500人の中小企業組合士を牽引

全国中小企業組合士協会連合会 会長
富士宮鉄工団地協同組合 専務理事
齋藤行正 氏

今年6月、全国31都道府県の組合士会・協会で組織する全国中小企業組合士協会連合会会長に就任。3500人近い全国の中小企業組合士を束ねる立場に立った。

中小企業組合士制度は、組合事務局役職員の資質向上などを目的に、昭和49年に創設され、今年で33年の歴史を刻む。その「第一期生」でもある。

専務理事を務める富士宮鉄工団地は、昭和36年に設立。38年から企業の進出が始まった。20社が出揃った44年、33歳で事務局入りした。

立ち上げ間もない団地組合の事務は多岐にわたる。それらと格闘するうちに、組合事務局は“万能”であれ、が信念となる。

「事務局は組合の要。組合法はもちろん、税務や会計、労務など、幅広い知識=万能であることが求められる。以前からこれらを計る試験制度があれば、と思っていた」。

そこに組合士制度が誕生。迷わず腕を試した。

検定試験は「組合会計」「組合制度」「組合運営」の3科目で行われ、全科目に合格し、一定の実務経験をもつ者に認定資格が与えられる。「組合士試験は、組合の運営に必要な知識を吸収する絶好の機会。しかし、取りっ放しでは意味がない。実務に活かしてこそ、意義がある。試験はあくまできっかけ。その後の自己研鑽が重要です」。

5年前の副会長時代に、「組合士のあり方に関する検討委員会」を立ち上げ、その委員長を兼ねた。一貫して訴えたのは、組合士の更なる資質向上と組織の拡大だ。

「今年の組合法改正や来年の組合税制改正など、組合制度が過渡期にある中、縁の下で組合を支える事務局、とくに組合士の果たす役割は大きい。しかし、組合士の存在はあまり知られていない。関心を高めてもらうには、組織の力が必要です」。

制度のスローガン“一組合一組合士”に加え、“一県一組合士会”を掲げ、未加入・未組織県に直接出向く行動力で、就任早々に約10年ぶりとなる新規加入を得た。

静岡大学教育学部出身。小・中学校の教員免許をもつ。大学で学んだ人間心理学が組合員と好関係を築くのに大いに役立ったという。
「相手の人格を尊重し、とことん話し合うこと。これが秘訣だね」。

8年ほど前から、健康のためにと家庭菜園を始めた。80坪の菜園には季節を問わず野菜が溢れる。

「蒔いた種が芽をだし、実る、という作物の生長も楽しみのひとつ」と実りの秋到来を待つ。