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富士の叫び

産業の垣根を越えた支援に使命感

4月、新年度のスタート月である。気持ちも新たに、心を引き締めて積極果敢に中小企業運動に取り組んでいきたい。

さて、国の19年度予算が3月26日、参院本会議で可決され成立した。総額はおよそ82兆9千億円。年度内成立は9年連続で、昨年より1日早い戦後5番目の記録だという。

しかし、この予算に占める肝心の中小企業対策費は1,625億円と、いかにも心もとない結果となった。国の礎は中小企業であると、ことあるごとに強調されてきたが、この数字をみる限り真実味は感じられない。近年、様々な分野で格差が社会問題化しているが、大企業偏重の政策では中小企業との格差はますます拡大してしまう。今こそ、中小企業全体を底上げする抜本的な政策が必要である。

一方、本会の活動予算については、三位一体の改革により経済産業省からの予算は全て県に移譲されたことで、現状では県の予算に加え静岡市ほか3市の予算が中心を占めている。今年度については、県の予算は要望どおり、また静岡市には増額予算を組んでいただくなど、高まる期待感と評価に改めて感謝申し上げる次第である。

特に県から「中小企業支援センター」として新たに指定を受け、経営革新支援にいっそう注力していくほか、新連携やものづくり高度化、地域資源活用プログラム、中心市街地活性化など課題解決に向け実効ある各種の事業を展開していく。

おりしも県は今年度から商工労働、農林水産、観光行政などを統合し、産業部として総合的な施策を展開することになった。本会もこうした機会を捉え、業種や産業の垣根を越えた支援にこれまで以上の使命感をもって臨む所存である。

組合を軸とする連携組織や中小企業、地域の発展に向け1人でも多くの経営者のお役に立ちたいと考えている。

静岡県中小企業団体中央会・会長 井上 光一