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特集

平成19年誌上年賀交換

分かりにくいカタカナ語、こう言い換えれば理解しやすい!

「我々のアジェンダのプライオリティーは、アクションプログラムの策定だ」「責任者にはパブリックコメントに対するアカウンタビリティーがある」…。こうした会話を耳にし、戸惑われたことが少なくないのではないでしょうか。外来語(カタカナ語)は、日本語をより豊かにするという優れた面がある反面、むやみに多用すると意味が伝わりにくくなることもあります。
そこで、平成15年より、176語に及ぶ分かりにくい外来語の「言い換え例」を提案している国立国語研究所の資料をもとに、編集部が独断で選んだ“必修”16語を取り上げてみました。
※分かりにくい外来語とは...国立国語研究所では、外来語の分かりにくさを知るための目安として、その外来語の意味が国民にどのくらい理解されているのか、「理解度」に着目し、その数値が一定の水準(その語を理解する人が国民4人に3人に満たない)に達していなければ、いまだ十分に定着していない外来語であり、分かりにくい、としています。
※理解率…同研究所が平成14年11月から平成16年8月にかけて実施した「外来語定着度調査」に基づき、どの程
度の国民がその外来語を理解しているかを示すもの。( )内の数字は、60歳以上の理解率を示しています。
国立国語研究所のホームページ http://www.kokken.go.jp/

【アカウンタビリティー】説明責任

理解率

4.4%(3.4%)
意味

行政や企業などが、社会に対し、事業に関する情報を常に開示し説明できるようにしている責任
用例

「法外な報酬やアカウンタビリティー(説明責任)の欠如に対する批判が高まった」
ワンポイント

行政や経営の分野を中心に、10年ほど前から、よく使われるようになった語。近年、「説明責任」と言い換えることが一般的になりつつあり、これからの社会で重要な概念になると考えられる。

【アクションプログラム】実行計画、行動計画、実行手順

理解率

9.4%(7.3%)
意味

実行に移すための具体的な計画
用例

「基本計画に基づくアクションプログラム(実行計画)の策定」
ワンポイント

行動することを強調する場合は「行動計画」、計画よりも具体的手順を示す場合は「実行手順」と言い換えれば分かりやすい。ほぼ同じ意味を表す「アクションプラン」も、「実行計画」。「アクションプログラム」「アクションプラン」と対で用いられる「マスタープラン」は、「基本計画」となる。

【アクセシビリティー】利用しやすさ、使いやすさ、接続しやすさ、利便性、交通利便性、交通の便の良さ

理解率

4.4%(2.1%)
意味

情報やサービスなどが、高齢者や障害者も含めてどんな人にも利用しやすいこと
用例

「情報機器に対するアクセシビリティー(利用しやすさ)を保証することは、いまや常識だ」
ワンポイント

情報通信機器を通して提供される情報やサービスについて使われる場合が多い。「アクセシビリティー」が意味する利用しやすさは、どんな人でも利用できるように工夫された利用しやすさのこと。交通手段が整っていて、交通が便利な状態を指して使われる場合は、「交通利便性」「交通の便の良さ」と言い換えることができる。

【アジェンダ】検討課題、行動計画、議題

■理解率:

4.7%(3.2%)
■意味:

公式に取り組むべき検討課題
■用例:

「最優先すべきアジェンダ(検討課題)は…」
■ワンポイント:

会議などの議題を指す場合は「議題」、
施策の名称などを指す場合は「行動計画」とすれば分か
りやすい。