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クローズアップインタビュー

開幕まで1年切ったユニバーサル技能五輪国際大会
県統括責任者として大会成功に全力

静岡県商工労働部
理事 大井信昭氏

今秋、県内で開かれる「ユニバーサル技能五輪国際大会」。開幕まで1年と迫った昨年11月14日、静岡市のホテルでカウントダウンのイベントが盛大に開催された。
同大会は、技能五輪国際大会と国際アビリンピックの2大会を総称したもので、世界50カ国から4200人の選手・大会関係者を迎え入れ、20万人の来場者を見込むビッグイベント。その静岡県統括責任者が、県商工労働部の大井信昭理事だ。
「1年を切って、まさに身の引き締まる思い。多くの県民に足を運んでほしいが、今は『行ってみたい』という期待感の醸成が重要です」。
22歳以下の若者が技能を競う技能五輪国際大会は沼津市で、また、障害者の自立をめざし技能を競う国際アビリンピックは静岡市での同時開催。こうした史上初の試みは、世界の関係者も注目する。競技職種は技能五輪が50、アビリンピックは30。参加を許されるのは、各国の予選をトップ通過した者たちだけだ。
「特に高校生ら若者には見てほしい。一流選手が真剣に技を繰り広げる姿には、言いしれぬ感動がある」。そう確信するからこそ、歩く広告塔も困難な渉外役も買って出る。
本大会の国内予選として位置づけられた昨年の香川大会。本県勢は空前の好成績を残し、10名以上の出場が確実視されている。「選手のがんばりには頭が下がる思い。県あげての育成支援が実ったかたちで、本戦に向け弾みがついた」と喜ぶ。
静岡県がこの世界的イベントを誘致した理由は、ユニバーサルデザインの先進県であること、中小企業から大企業まで幅広い業種が立地する全国屈指のものづくり県であることなどがあげられる。「大会のすばらしさと共に、静岡県の魅力を世界へ発信する絶好のチャンスです」。
県は大会の認知度を高めていこうと、17年から出前講座を開始。自らも企業や自治会、各種団体などの会合に出向く。昨年度は23回の開催で3500人が参加。今年度は早くも74回、1万5千人を超えるなど、関心の高まりは肌で感じている。
「県民のボランティアやもてなしを通じ、ユニバーサルデザインへの理解や”技能尊重社会づくり“の精神が次世代に引き継がれていけば」。その目には、大会後の姿も映る。
昭和43年、「社会を変えたい、変えられる」という思いもあって県庁に就職。財政や企画部門を中心にキャリアを積み、熱海県行政センター所長などを経て現職に。
「性格?温厚に見えると言われるけど実は短気。いのしし年、牡牛座のB型。猪突猛進で、困難な方がやりがいを覚えるタイプかな」。59歳。