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トピックス

総会議事録、署名捺印は不要に
会社法改正で議事録作成が変更へ

前号で特集したとおり「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」により組合法、団体法が改正され今年5月1日から施行されている。
トピックスでは、当面、重要と思われる総会議事録・組合議事録に関する改正内容、作成例などを説明する。

「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」により「中小企業等協同組合法(以下組合法)」及び「中小企業団体の組織に関する法律(以下団体法)」が改正され、平成18年5月1日から施行されている。

改正法では、総会議事録や理事会議事録について主務省令(施行規則)に定めるところにより作成しなければならないとされ、施行規則が改正・施行された。

以下では、これに基づく議事録作成方法の概要について説明する。

1 総会の議事録の作成方法

(組合法第53条の3、団体法第5条の23及び第47条)

今回の改正施行規則によって、総会議事録については、

  1. 総会が開催された日時及び場所
  2. 議事の経過の要領及びその結果
  3. 出席した理事又は監事の氏名
  4. 議長の氏名
  5. 議事録作成に係る職務を行った理事の氏名

― を記載することとされた。また、総会議事録については、改正法により署名(記名押印)は不要となった。(※注釈参照)

なお、従来の記載事項(改正前組合法、団体法が準用していた旧商法第244条第1項及び第2項、及び定款規定)に基づき既に作成された議事録については、「3. 出席した理事又は監事の氏名」中の「監事の氏名」以外は改正規則に定める事項が記載されているものと考えられる。

したがって、総会議事録にあっては、記載事項である「3. 出席した理事又は監事の氏名」に対応し、監事が出席していた場合には従来の議事録に監事の氏名を追加することが必要であると考えられる。

また、改正施行規則に規定された記載事項は、最低限の記載事項であり、これまで記載していた「招集年月日」「組合員数及びその出席者数」「議案別の議決の結果(可決、否決の別及び賛否の議決権数)」が記載されていても議事録の有効性に何ら影響を及ぼさないことから、適宜記載して差し支えないものと考える。

2 理事会の議事録の作成方法

(組合法第36条の7、団体法第5条の23及び第47条)

今回の改正施行規則によって、理事会議事録については、原則として、

  1. 理事会の議事の経過の要領及びその結果
  2. 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは当該理事の氏名
  3. 理事会に出席した理事又は監事の氏名
  4. 議長の氏名

― を記載することとされた。

なお、従来の記載事項(改正前組合法、団体法が準用していた旧商法260条の4第1項及び第2項及び定款規定)に基づき既に作成された理事会議事録については、「2 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは当該理事の氏名」以外は改正規則に定める事項が記載されているものと考えられる。

したがって、「2. 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは当該理事の氏名」に該当する場合は、その旨を追加記載することが必要であると考えられる。

また、改正施行規則に規定された記載事項は、最低限の記載事項であり、これまで記載していた「招集年月日」「理事数及びその出席者数」「議案別の議決の結果(可決、否決の別及び賛否の議決権数並びに賛成した理事の氏名及び反対した理事の氏名)」が記載されていても議事録の有効性に何ら影響を及ぼさないことから、適宜記載して差し支えないものと考える。

なお、理事会議事録については、署名と記名押印を任意に選択することができることとなったが、登記に関しては改正組合法第103条(改正団体法においては第5条の23第5項、第54条において改正組合法第103条を準用)において、商業登記法第148条が準用され、同条により商業登記規則が適用されており、従来どおり、代表理事の登記等にあっては商業登記規則に基づき記名押印が求められる場合があるので、留意することが必要である。

※総会議事録の署名(記名押印)は不要となったが、これらの事項は改正施行規則に規定された最低限の記載事項なので、現段階では組合の現行定款例(議長及び出席理事の署名)に沿って議事録を作成する必要があります。

また、今年6月の組合法改正に伴い来年4月1日施行に合わせ現行の定款規定が全体的に見直される予定です。後日、改めて定款参考例をお知らせします。