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ビジネスレポート

生ゴミリサイクルで厚生労働大臣表彰

稲取温泉旅館(協)

旧静岡市で34年ぶりに建設着工が予定される同市葵区新間の予定地。

風力発電とリサイクル事業を組み合わせた修学旅行等の受入も検討。

同組合は、東京で開かれた全国旅館生活同業組合連合全国大会で「第9回人に優しい地域の宿づくり賞」の最優秀賞にあたる厚生労働大臣賞を受賞した。

対象となったのは、同組合が昨年秋よりスタートさせた食品残渣リサイクル事業で、旅館やホテルから出る生ゴミなどをニワトリの餌などとして再利用するリサイクル率100%の活動がナンバーワンの評価を受けた。旅館組合としては全国初の試み。

同事業を利用する組合員22件の旅館等から輩出される食品廃棄物は年間1,000トンに及び、これまでは東伊豆町のゴミ処理場で焼却処分されていた。

リサイクル事業は、同町内の養鶏場と共同で着手。旅館等で分別・水切りされた食品残渣は委託した清掃業者により養鶏場に併設した工場へ搬入。ここでミンチにしたあと熱処理し、米ぬかやとうもろこしなどを混ぜて安全で栄養価の高い飼料となる。

組合がリサイクル事業に取り組んだ背景には、平成13年に施行された食品リサイクル法がある。

食品関連会社は、18年までに食品廃棄物を20%削減すること
を義務付けられた。一方、養鶏場ではBSE問題などから肉骨粉が使えなくなったことで飼料の栄養価のバランスが崩れ、卵の品質や産卵率の低下に悩んでいた。

今後、同組合では町が推進している風力発電とリサイクル事業を組み合わせ修学旅行の受入なども検討。エコツーリズムを商品とし、「地球に、人にやさしい温泉地」として更なるイメージアップを図っていく考えだ。