恭賀新春 
 多士済済 
 特 集 
 視 点 
 編集室便り 




 住 所:〒437-1505
     静岡県菊川市高橋4123-2 
 理事長:松村 芳夫
 組合員:13名
 出資金:7,800千円
 TEL:0537-73-6161
 FAX:0537-73-5089


協同組合小笠総合住建

地元密着による
組合ブランドの構築をめざす





▲遊具の点検で、組合員は
 慎重かつ丁寧に見回る

組合設立で信用力改善

 中小建築業者を取り巻く環境は、大手企業の参入やコストダウン要請など、依然厳しい状況にあるといわれる。
 平成七年、旧小笠町地区の建築工事業者が、公共工事の共同受注をきっかけに任意グループを組織し、活動を始めた。独自の地縁やネットワークで実績を重ね、平成九年四月には、同地区内十五名で共同受注等の事業拡大を目的に組合を設立した。
 松村芳夫理事長は「組合設立前、組合員は、町内での県内外大手・中堅工務店などからの仕事を個々に受注していた。施工規模も限定されたこともあり、有利な契約条件を結ぶことは少なかった。しかし、組合設立後は、社会的信用力も増し、受注規模も拡大した。さらに行政への営業活動も円滑になりました」と話す。
 組合事業は共同受注や共同宣伝、教育情報事業などを活発に行う。
 設立当時から、公共建設工事が減少し、平成十七年一月の菊川市との合併もあり、組合は、組合員の受注機会を確保するための新たなビジョン作りに力を注いだ。


活路事業で遊具点検業務を受注

 組合は、平成十六年度に中央会が支援する中小企業活路開拓調査・実現化事業の一環で、学校遊具の管理体制の現状と方策について調査研究を行った。委員会を開催し、学校など発注者側の現場の声をヒアリング調査し、アンケートによりニーズの把握などを試みた。また、保守点検とメンテナンス補修工事を受注する上で要求される技術レベル調査も併せて行った。
 調査の結果、遊具の定期点検を行っていない自治体が、一割以上もあり、学校管理者自身が自主点検や安全管理の知識取得の必要性を強く感じていることを把握した。
 組合では、活路開拓事業の実施と同時に、地元業者が保守点検する利便性等のPRを行政に対し継続して実施。地道な努力が実り、昨年度三幼稚園、三小学校、一中学校の点検業務の受注が開拓できた。二ヶ月に一回、組合員十三名全員が旧小笠町地区の幼稚園、小学校等の鉄棒や回転ジム、のぼり棒など数十種類の遊具を半日かけて、一斉に点検している。その内容も鉄棒ならば安全域の確保、本体、地盤、ボルト・ナット及び基礎部等を細部に渡り慎重かつ丁寧に見回る。鉄棒等の金属部材は、磨耗、腐食の頻度が多いが、組合員は日常作業の経験を生かし、迅速に指摘、補修工事ができる。作業後には学校側管理者は「外見もきれいになり子供達も安心して遊んでます」と感謝する。



中小企業静岡(2006年1月号No.626)