恭賀新春 
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 視 点 
 編集室便り 




富士市水道指定工事店協同組合
事務局 久能 光子 氏

 野に咲く花を
 ありのままに愛でる 



 子育てを終えたのを機に、保育園で五年間の勤務。組合に就職したのは、その後の昭和六一年のことである。「水道のことは全くの素人。当初は、材料や道具の名前などわからないことばかりで、人知れず苦労もあったんです」。
 組合の共同事業は、いま実に活発。上水道管理センター監視事業や水道管の漏水保全事業、メーター器法定取替事業といった富士市からの委託業務をはじめ、上下水道申請手続きのOA申請業務や道路申請事務代行、技術講習会など多岐にわたる。しかも毎期、安定した事業利益を確保。同組合の予算規模はおよそ一億五千万円に上るが、賦課金をとらない現状では事業で“稼ぐ”しかない。おのずと組合職員には、それぞれの担当分野においてプロ意識が求められる。「遠藤正三理事長には、常日頃“一人ひとりが経営者になれ”とはっぱをかけられています」。
 組合の職員にとって、遠藤理事長は立志伝中の人物ともいえる憧れのひとりだ。
「会社を創業し、一代で地元の有力企業に育て上げた方。まだこれからの時、会長職にあっさりと退かれ、いまは趣味で始めたシラス漁を極めようと、船元としてご活躍中です」。
 趣味は、四○年のキャリアという華道。国風華道の司教の免状をもち、生徒を教えた経験もある。
「でも最近は、野に咲く花を、ありのままに楽しんでいます。ハサミで切って立派に生ける喜びよりも、自然に咲く花に美を見出す喜び。たとえば、木の枝が水を求めて自然と川の方にいく。そこにある生命の息吹きなど、華道ではとても表現できない美しさを実感しています」。
 職員協会東部支部でも活躍。平成八年からは、役員として女性ならではの存在感を示している。



中小企業静岡(2006年1月号No.626)