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 藤枝工業団地(協) 
 事務局長

鈴木孝雄 氏
 俳句は入選四回 
 自分史編纂も手がける 



 『春眠の津波のごとく午後三時』今年四月、朝日新聞「俳壇」コーナーに掲載されたこの作品で、通算四度目の入選を果たした。
 俳句を始めたのは平成十年五月。「昭和三六年の商工中金入行以来、五六歳になって定年を強く意識し始めた。人生を楽しくする、何か趣味を見つけたかった」と公民館の俳句講座に入門した。
 「写真や旅行、落語、ゴルフなど数ある講座の中から手軽に自分を表現できる点が決め手となった」。講座で物足りないところは図書館に通い、通信講座も受けた。
 「やる以上は極めてみたい」。そんな思いで、二年後に朝日新聞に初投句。『父の日の何も起こらず暮れにけり』は、喜びの初入選を果たした。
 昭和十七年、焼津市本町に三男として誕生。少年時代から家業の駄菓子・おもちゃ屋を手伝うなど、”商売“は常に身近にあった。
 高校卒業後、商工中金勤務の傍ら静岡大学法経短大に入学。短大卒業後は教員の夢を捨てきれずに、東海大学短期大学部に編入し、念願の教員免許を取得。「勤労学生として、通算五年間大学に通った。振り返れば、我ながら頑張ったと思う」。
 商工中金では静岡支店を振り出しに奈良、豊橋、浜松などの支店勤務を経た後、静岡に戻り定年を迎えた。その後、同組合に籍を移した時、今度は自分史の編纂を思い立った。「世界最高齢記録は百二二歳。六一歳の時、ちょうど人生の折り返し地点と考えた。定年までの人生をどう生きてきたか。そして今後、どう生きていくか」。
 タイトルは「私の履歴書」。出生から現在に至るまでの半生が思いのままに綴られ、そのページは早くも二八○枚を数える。




中小企業静岡(2005年8月号No.621)