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中小企業向け環境マネジメントシステム
「エコアクション21」が本格導入へ
県内では(社)県環境資源協会などが推進





 環境資源協会などが推進環境省が推奨する新たなEMS(環境マネジメント)認証制度「エコアクション21」が、静岡県の中小企業などで本格導入される見通しだ。
 同制度は、第三者審査による認証制度などを組み込みつつ、ISO一四○○一と比較し五分の一程度の審査費用で認証登録を受けることができるなど、小規模企業でも取り組みやすいのが特徴だ。大手企業が取引先などに導入を求める動きも出ており、大半のグリーン調達基準をクリアできるなど認証企業は高い評価を受ける。本県では、(社)県環境資源協会などが、地域事務局として受付・指導にあたる。


費用・負担面などで中小企業向け

 同制度は、中小企業などが「環境への取り組みを効果的・効率的に行うシステムを構築・運用・維持し、環境への目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価し、公表する」方法として環境省が策定した「ガイドライン」に基づく認証制度だ。
 「エコアクション21」は、平成八年に環境庁(現環境省)が策定し、その後幾度かの改正を経て普及を進めてきたが、昨年、グリーン購入の進展の動きに合わせて全面改訂が行われた。
 これまで、多くの事業者がこれに取り組んできたが、商取引の面において推進する上で第三者による認証・登録制度にして欲しいとの要望も高まっていた。
 こうした中、昨年十月、財団法人地球環境戦略研究機関持続センターにより、ガイドラインに沿って環境に取り組む事業者を認証・登録する「エコアクション21認証・登録制度」が実施された。
 制度の特徴は、対象として主に中小企業を想定し、EMSに対する要求をISO一四○○一と比べ大幅に簡略化し、要求事項の数も絞り込んだ点があげられる。
 一方で、「環境活動レポートの作成・公表」「CO2や廃棄物などの排出量の把握」といったISOにはない必須事項を設けるなど、システムよりパフォーマンスを重視する内容ともいえる。
 具体的には、「環境経営システムガイドライン」など四つのガイドライン・手引きで構成。企業や組合などの活動内容や体制が、これらのガイドライン・手引きに適合しているかを「審査人」と呼ばれる第三者が審査する仕組みである。
 同制度は、環境省が支援していることに加え、少ない費用で認証を取得できる点が注目されている。例えば、事業所の規模により費用は異なるが、標準的には十万から三十万程度でこれにコンサル費用を加えても数十万〜五十万円程度でISO一四○○一と比べても五分の一程度といわれている。
 また、エコアクション21の取り組みを通じて得た知識や経験を生かして、将来、ISOへの認証取得に結びつけることも可能だ。



中小企業静岡(2005年6月号No.619)