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 多士済済 
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 同組合の理事長に就いて四年目。創立四○周年を数年後に控え、卸団地の活力再生に向けた提案力とスピード力に弾みがついてきた。その旗振り役を自任する。
 平成十四年五月、課題山積の中での理事長就任だった。卸売業への逆風が強まる中、当組合は、平成二・三年に団地拡張事業を実施したこともあり、高度化資金の返済を負う者、個人保証に名を連ねる者、そうでない者など立場の異なる七五人の組合員が混在。その歩調合わせは、年々難しさを増していた。「正直、いやな時期に引き受けてしまったという思いはありましたよ」と笑顔で振り返るが、就任にあたっては成果にこだわり、この三年間で大小様々な種を蒔いた。
 初年度には組合金融事業の縮小に向けた五年計画を決定。次年度には高度化資金の繰上げ償還を敢行し、長年のギクシャク感を一掃した。またこの年、活路開拓事業に取り組み、「人が集まる活気ある街づくり」構想を打ちだす。これに関連し、三年目の昨年十一月には難事業である土地利用協議会を発足。県内初となる「街づくり方針案」を浜松市に申し出て、作成した地区計画案が六月にも都市計画決定されるメドをつけた。「不振事業者の業種転換、業態転換を促進し、必要ならば異業種の新規参入を図る。是非論はあるにしても、流動化は活気の源だ」。

人が集まる活気ある街へ 
卸団地変革へ実践力発揮する
 
     クローズアップインタビュー 
協同組合浜松卸商センター 
理事長 
山内 致雄 氏 

 また、団地全体がコミュニケーション不足と思えば、これまで組合会議室で済ませていた通常総会を親睦を兼ねたホテルでの総会に切り替えるなど、人の和を重視する。
 一方、「卸団地といえども、人が集まる街でなければ発展はない」とチャリティフェスタや近隣農家による採りたて野菜の直売会などを開始。広く一般募集し決定した組合会館の愛称『アルラ』には、「団地にいけば何かあるだろう」という期待感高揚への願いを込めた。
 常に温厚、飾らない性格はいかなる場でも人を魅了し、周囲を動かす。株式会社電興社を情報制御システム技術の総合商社に育てた力量や関連メーカーの社長、融合化組合理事長など数々の実績を見込まれ、今年三月、浜松医工連携研究会の代表幹事に担がれるように選出された。「商品開発で大事なのは、ニーズがあるかないか。失敗する理由は、技術屋が頭の中で考えた仮想ニーズでモノづくりをしちゃうから」と言い切り、「今回は、介護・看護現場のしっかりしたニーズがあり、早い時期に一つ目の製品化を実現したい」と、あくまで成果を追い求める。




中小企業静岡(2005年6月号No.619)