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▲組合に設置されたシリコーン
 溶剤対応の新型ドライ機。


新世代の「シリコーン溶剤」
ドライ機を導入

富士クリーニング事業(協)

 同組合は、三月中旬、富士市でも珍しい「シリコーン溶剤」対応のドライ機を導入した。
 すでに組合加盟店ではポスターチラシ等でPRを行っているが、このたび、のぼりも完成し、全店挙げてのキャンペーンを行った。
 現在、ドライクリーニングの溶剤の多くは「石油系」が使われているが、衣類に残留した場合、化学やけどなどの皮膚障害がでることが心配されてきた。また、使用済みの溶剤は産業廃棄物として慎重な取扱が必要とされてきた。
 近年、産業界全体として環境対策が求められる中、割高であっても顧客に「安全」「安心」を売ることがクリーニング業界の使命と考え、およそ八○○万円をかけシリコーンドライ機の導入に踏み切った。
 シリコーンは、化粧品やハンドクリーム等にも使われている原料で、石油系独特のにおいや、土壌汚染もない無公害の成分。アトピー性皮膚炎の患者にも朗報だ。
 クリーニングの仕上げもしなやかで、背広やシャツなどの袖通しの良さが実感できる。
 ただ、シリコーン溶剤は割高でこれに対応するドライ機の購入も必要なため、これまで小規模なクリーニング店での導入は進んでいないのが現状である。組合によると、これまで富士市内ではシリコーン溶剤のドライ機を扱う店舗はほとんどないという。
 組合では四月下旬より全店一斉にのぼりを立てるなどし、シリコーン溶剤の普及を図る考え。
 同組合の磯部政延理事長は、
「小規模店でも組合事業だからこそ導入ができた。組合員の店頭価格については、当面はこれまでと同等とし、まずはシリコーン溶剤の良さをお客様に実感してもらえれば」と述べた。



中小企業静岡(2005年5月号No.618)