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 編集室便り 



 静岡県わた寝具商工組合 
 事務局長

澤田 信之
 一貫して公平・自然体 
「なんとかなるさ」
の気持ちも 



 「僕の場合、無意識ではあるけれども、前事務局長だった杉井さんの影響を強く受けている」。
 大学卒業後の昭和五四年、同組合に就職したとき、杉井氏から多くの教えがあった。日頃より温厚、スマートでならした前事務局長もやがて後任に就くであろう若者に対し、時には厳しく接したことは容易に想像できる。
「当初は、忙しい合間を縫っては、よく組合員の巡回に連れ出されました。事務局と名がついても、単なる事務屋じゃダメだという、無言の教えでしたね。肉体労働から事務処理、組合運営まで何でも教えていただきました」。
 二○代の頃は、組合員を巡回すると少なからずの苦言も受けた。
「なかには『店の経営状態が悪いのはお前のせいだ』なんて言われたことも。これも、未熟さのせいでしょう」と振り返る。ただ、一貫して公平・自然体でコトにたる人柄は、組合や青年部をはじめ各方面から多くの支持を受けている。
「仮にいき詰まったとしても、くよくよしない、なんとかなるさ、の気持ちが必要。僕も、それだけ年をとったのかな」。
 就職当時と比べ、組合員の数もピーク時のおよそ半数、三○○人に落ち込んでいるが、
「安売りの布団では味わえない本物よさをアピールしていきたい」
と業界活性化に知恵を絞る。
 一昨年から、職員協会の中部支部長に就任。「本当は、固辞したかったのですが…」と言いつつも、二年を経過し、まとめ役もすっかり板についてきた。
 休日は、散歩やテニスで気分転換。また母校、藤枝東の藤色のユニフォームを追いかけ、昨年は七○試合の高校サッカーを観戦した。



中小企業静岡(2005年5月号No.618)