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 協同組合湖西市商工セレモニー
 地域貢献型サービスで
 地元業者を活性化
〒431-0431
湖西市鷲津529-3(カネキビル 1F)
理事長 豊田俊雄
組合員  24社
TEL:053-574-2444
FAX:053-574-2345



▲JR鷲津駅前のモダンな
 建物にある組合事務所


地域で異なる葬儀の風習

 日本消費者協会が実施した「葬儀についてのアンケート調査」によれば、静岡県、愛知県、長野県などの中部圏の葬儀費用は、全国平均を大きく上回っている。全国平均は、約二三〇万円。第一位は、東北地方の二七〇万円、中部地域は第二位で二六四万円。最も、費用をかけないのは、中国地方の一五三万円と地域により、大きな差がある。
 葬儀の風習も、地域によって大きく異なる。青森県や秋田県では一般的に、火葬したあとに通夜を行う。
 湖西市では、地元の風習を十分に承知した地域の業者が、地域に生きた人々の最後のセレモニーに取り組んでいる。
 湖西市の人口は、約四四、〇〇〇人。年間で約二六〇人ほどの人が亡くなっている。従来、地域の葬儀のほとんどは、農業系の組織や、三河地区の大手業者により取り仕切られていた。

高齢化社会でマーケット拡大



▲組合員と打ち合わせを行う
 葬祭ディレクターの河合氏(左)

 JR鷲津駅周辺は、再開発事業が進められ、町並みの整備が進められている。しかし、地元商業者の売上は、減少傾向にあり、新たな需要創造として、葬儀に着目した。
 数年前から、地域の商業者は、葬儀を取り仕切る大手業者に対して、香典返しなどの調達に地元業者の利用を働きかけてきた。
 しかし、思うような連携がはかれず、昨年十月に地域の小売、サービス業者が集まり、自ら葬儀などのセレモニーを受注する組織を立ち上げた。
 組織の構成員は、全員が商工会のメンバー。設立発起人や当初から組合に加入の意思を示したメンバーに、葬儀と縁が深い石材店や料理屋を募集してスタートした。
 商工会を母体に葬祭業を展開するのは、あらい商工葬祭協同組合、愛称「セ・ラ」に続いて県内では二例目。
 組合員の二四社は市内の各地に点在、さまざまな情報が組合に集まる。すでに、月に三件から四件の葬儀を受注して、実績を上げている。
 湖西市の年間の葬儀マーケットは、約三億円。社会の高齢化により、マーケットは今後さらに、拡大すると考えられる。
 昔から、葬儀は一般的に、地域住民が協力しあって行なわれてきた。地域の事情を一番よく知っている地元業者によって、葬儀がスムースに運営され、喪主の負担が軽くなったとの評価も受けている。


中小企業静岡(2001年 5月号 No.570)