富士の叫び
フラッシュ
特集
専門家の眼
ネットワーク
東西見聞録
くみあい百景
ワンポイント
読者プラザ
編集室だより



「税務」




「平成13年度税制改正の留意点」
 
パソコン税制の廃止や特別償却等の制度延長も
早川國男税理士事務所

早 川 國 男

浜松市篠ヶ瀬町629-1
TEL:053-422-3981
FAX:053-422-3959



Q平成十三年度税制改正の主な事項について、
 中小企業への影響や注意すべき点などを中心にお教え下さい。


平成十三年四月一日より、平成十三年度の税制改正が施行されました。
 今回の改正は、平成十二年五月の商法改正(会社分割法制)に対応して創設された、企業組織再編税制が中心ですが、社会経済情勢の変化に即した、贈与税の基礎控除の引上げ、又、住宅・土地税制やIT関連税制の見直し、証券・金融税制の取り扱いの変更や存続などがあります。
 法人税については平成十年度の大改正以降、大きな改正点は今年度もありませんが、細かな変更が見られ、申告等、実務処理において注意が必要となります。

(一)企業再編税制

 この制度は合併・分割等の企業再編成のうち、一定の要件に該当する「適格組織再編成」について、課税の繰延等の特例を認めるものです。法人サイドの取扱いでは、移転資産の対価として「金銭等の株式以外の資産が交付されないこと」を条件に、一定の要件に該当する場合には、帳簿価額での移転資産の引継ぎや譲渡損益の計上を繰延べることを認めています。株主サイドでは@分割により旧株を譲渡して新株を受取る際に生ずる譲渡損益を、投資が継続していることを条件に繰延計上を認める。A旧株の譲渡損益の繰延計上が認められず、資産の移転が時価によって処理された場合は、受け取った新株のうち分割法人や被合併法人の利益を原資とするものと認められる部分はみなし配当とされる。

(二)パソコン税制の廃止と耐用年数の短縮

 平成十一年四月より実施されていた一〇〇万円未満の情報通信機器の即時償却を認めるいわゆる「パソコン税制」は平成十三年三月三一日をもって廃止されました。代わりに、(1)パソコンの法定耐用年数を六年から四年に短縮する。(2)パソコン周辺機器も同様四年とする。(3)パソコン以外の電子計算機(ネットワークサーバーを含む)は六年から五年に短縮する。こととなりましたが、この改正は平成十三年四月一日以後開始する事業年度からの取得分に適用される他、現在償却中のものも対象となりますので注意して下さい。


中小企業静岡(2001年 5月号 No.570)