伊東市川奈にある「小室山公園」は、標高三二一メートルの小室山を中心とした市営の自然公園である。
山頂からは、海に浮かぶ初島や大島、西には箱根連山、そして富士山まで望む雄大なパノラマを楽しむことができる。
ここでは、四月下旬から五月中旬にかけて、十万本の「ツツジ」が公園の丘を色とりどりに染め上げる。
今月号は、そんな情景を表紙に写し
出してみた―――。
世界中に六〇〇種類ほどあるといわれるツツジは、枝先に五弁の花をつけ、その色も多彩。日本には、五〇種類が自生しているという。
花には不思議な魅力がある。
殺伐とした中に一輪あればその場が和み、連なれば威風さえ感じる。
桜の花が散って久しいが、毎年、並木は人を誘い、飽きさせる暇もなく、花びらを散らす。
長い時を経て培われた花々のスタイルは、それぞれが、その個性を強力に打ち出している。
我が機関誌も、斯くの如くありたいと念じているのだが…。
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