静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2008 November No.660 産学連携・共同研究から生まれた低GI食「カラダECO」
|
所在地:本社…静岡市葵区城北2丁目9-21 |
ここ数年、「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)への関心が高まっている。
厚生労働省では、4月から40歳以上の中高年保険加入者に、特定健診の実施を義務付けるなど、国を挙げて“メタボ”対策に力を注いでいる。
こうした社会の要請を受け、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防対策として低GI食を開発したのが、静岡市のアオノミート(株)だ。同社は、食肉卸などを手がけるアオノフレッシュミート(株)の栄養食品事業部が3年前に法人化したもので、フレッシュミートの青野盈瓠(みつひさ)会長が社長を務める。
“GI”とは、食後の血糖値の上昇度を表す指数で、この値が低ければ血糖値も低いことを意味する。
「我が国では食品を選択するとき、カロリー値のみに目がいきがちですが、FAO、WHOをはじめ、カナダやオーストラリアではGI値の利用を推奨しており、いまやGI値は世界の食の常識」と青野社長。
「8年ほど前、家内が体調を崩し、入院。退院の際に栄養指導を受けたが、これは難しいと頭を抱えた。同じ思いをしている人が大勢いるに違いない。それならば、自分にも何か出来ないだろうかと考えたのがきっかけです」。しかし、思いはあっても形にできない。と、悩んでいたという。
静岡市産学交流センターに相談したところ、県立大食品栄養学部の市川陽子准教授を紹介され、共同研究が始まった。この産学連携から生まれたのが“カラダECO”だ。
“カラダECO”の最大の特長は、食事まるごと低GIであるということ。近年、大手食品メーカーから多くの低GI商品が発売されているが、いずれも単品によるもの。
ある食材のGI値が低くても、他の食材との組み合わせや調理法によって、食事全体のGI値が高くなることもある。そこで行ったのが、市民を対象とした臨床である。
「50人を超える方に協力頂き、2年をかけて血糖値測定を実施。臨床10時間前から食事は一切摂らない、空腹時血糖から2時間にわたり計7回血糖値を測定する。参加していただいた皆様には感謝しきれません。結果の良くなかったものはメニューから外す。現在も低GIについて更なる可能性について研究を進めています」と開発の実務を担う篠田和代取締役は自信をもつ。
ヘルシーだけではなく、美味しく飽きのこないメニューでなければ長続きはしない。そのためGI値のみならず、エネルギーや三栄養素もバランスよく組み合わせた。
主菜、副菜のおかずを冷凍パックした「1日3食おかずセット」を中心に、「昼夕」、「朝夕」セットなども用意。メニューは76にものぼる。「1日3食おかずセット」は週5日2週間のサイクルで1日分送料込み2190円とお手ごろだ。
静岡市やその近隣には宅配、遠方には宅配便で対応する。インターネットを通じ、東京など県外からの申込みも多いという。
「いま食は、“崩食”の時代にある。これを“宝食”に変えたい。正しい食とはなにかを訴えて続けていく」。青野社長の挑戦は続く。
中小企業静岡(2008年11月号 No.660) |
静岡県中小企業団体中央会
〒420-0853 静岡県静岡市葵区追手町44-1
TEL 054-254-1511FAX 054-255-0673 Copyright © 2006 Shizuoka Chuokai All Rights Reserved. |