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革新企業

産学連携・共同研究から生まれた低GI食「カラダECO」
「正しい食」を問い続ける

アオノミート株式会社(静岡市)

所在地:本社…静岡市葵区城北2丁目9-21
TEL:054-246-7751
URL:http://www.Karada-eco.com/
代表者:青野盈瓠(みつひさ)代表取締役
設立:2005年
所属:静岡県食料産業クラスター協議会 ほか

 

76の豊富なメニューを誇る低GI食“カラダECO”。

挑戦を続ける青野社長(右)と篠田取締役


ここ数年、「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)への関心が高まっている。

厚生労働省では、4月から40歳以上の中高年保険加入者に、特定健診の実施を義務付けるなど、国を挙げて“メタボ”対策に力を注いでいる。

こうした社会の要請を受け、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防対策として低GI食を開発したのが、静岡市のアオノミート(株)だ。同社は、食肉卸などを手がけるアオノフレッシュミート(株)の栄養食品事業部が3年前に法人化したもので、フレッシュミートの青野盈瓠(みつひさ)会長が社長を務める。

“GI”とは、食後の血糖値の上昇度を表す指数で、この値が低ければ血糖値も低いことを意味する。

「我が国では食品を選択するとき、カロリー値のみに目がいきがちですが、FAO、WHOをはじめ、カナダやオーストラリアではGI値の利用を推奨しており、いまやGI値は世界の食の常識」と青野社長。

「8年ほど前、家内が体調を崩し、入院。退院の際に栄養指導を受けたが、これは難しいと頭を抱えた。同じ思いをしている人が大勢いるに違いない。それならば、自分にも何か出来ないだろうかと考えたのがきっかけです」。しかし、思いはあっても形にできない。と、悩んでいたという。

静岡市産学交流センターに相談したところ、県立大食品栄養学部の市川陽子准教授を紹介され、共同研究が始まった。この産学連携から生まれたのが“カラダECO”だ。

“カラダECO”の最大の特長は、食事まるごと低GIであるということ。近年、大手食品メーカーから多くの低GI商品が発売されているが、いずれも単品によるもの。

ある食材のGI値が低くても、他の食材との組み合わせや調理法によって、食事全体のGI値が高くなることもある。そこで行ったのが、市民を対象とした臨床である。

「50人を超える方に協力頂き、2年をかけて血糖値測定を実施。臨床10時間前から食事は一切摂らない、空腹時血糖から2時間にわたり計7回血糖値を測定する。参加していただいた皆様には感謝しきれません。結果の良くなかったものはメニューから外す。現在も低GIについて更なる可能性について研究を進めています」と開発の実務を担う篠田和代取締役は自信をもつ。

ヘルシーだけではなく、美味しく飽きのこないメニューでなければ長続きはしない。そのためGI値のみならず、エネルギーや三栄養素もバランスよく組み合わせた。

主菜、副菜のおかずを冷凍パックした「1日3食おかずセット」を中心に、「昼夕」、「朝夕」セットなども用意。メニューは76にものぼる。「1日3食おかずセット」は週5日2週間のサイクルで1日分送料込み2190円とお手ごろだ。

静岡市やその近隣には宅配、遠方には宅配便で対応する。インターネットを通じ、東京など県外からの申込みも多いという。

「いま食は、“崩食”の時代にある。これを“宝食”に変えたい。正しい食とはなにかを訴えて続けていく」。青野社長の挑戦は続く。