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編集室便り

「何もしなければ、何も起こらない。言えるのは、このままでは多くの組合員が仕事を減らし、組合はやがて解散に追い込まれるということ」。藤枝建築事業協同組合を率いる望月隆睦理事長が、組合のオリジナルブランドを立ち上げた理由だ。

氏は1年前、同組合の理事長に就任するや、かねてから温めていた組合のブランド案を理事会で力説し、承認を取り付けた。近年、大手住宅メーカーの進出は著しく、気がつけば地元大工の元請け率は2割程度までに下落。「大手と比較・検討された結果負けるのなら、まだ許せる。しかしそれ以前に、今の顧客には我々の存在さえ見えていないのではないか…」。くじかれたプライドと危機感を胸に、ブランド化の研究と体制構築を急いだ。

年が明けた今年1月、組合員を通じて販売開始。5月末現在で、早くも9棟の契約を得た。確かに課題もある。だが、組合は緒戦を見事勝利し、次のラウンドへと向かった。(矢部)