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中小企業施策特集2

 解説 中小企業新事業活動促進法のすべて

 事 例 編 
◇経営革新
 (有)レッカーランドフクカワ
 村松機工(株)
◇新連携
 (株)スペースクリエイション(コア企業)
 まるよん製茶(株)(コア企業)

 「中小企業新事業活動促進法」は、新市場にチャレンジする中小企業に用意した新たな施策だ。その柱は、創業支援・経営革新支援・新連携支援の三つ。
 特に新連携は今夏、『光』や『お茶』など本県ならではの分野で立て続けに国の認定を受けるなど、新施策への関心は一気に高まりをみせている。本号では、こうした施策を活用し、果敢に経営革新や新連携に挑戦する県内企業の姿を紹介する。



 第 二 創 業 

浜松の新店舗で第二創業実現
本場仕込みの腕で食通をうならせる


 会社名:有限会社レッカーランドフクカワ
 テーマ:デコレーションミートの製造販売 
     及び食品の提案型販売方式の確立
 業 種:ハム・ソーセージ製造販売
 社員数:九人
 法承認:平成十四年一○月三一日


新店舗で夢を叶える

 「新しいコンセプトに基づく店を持ちたかったんです。めざしたのは本場ドイツの店づくり。経営革新支援法だからこそ、ボクの夢が叶えられたと思います」。
 二年前、浜松市に新店舗を構えたレッカーランドフクカワ浜松店の福川幸志店長の表情は活気に満ちている。
 同社は、昭和三三年、周知郡森町で父親の福川収氏が創業。当初は精肉、ソーセージ、惣菜を中心とした小売、卸を行う精肉販売店であったが、昭和六一年からは自家製ハム・ソーセージの製造を手がけていた。
 転機が訪れたのは幸志氏のヨーロッパ修行である。本場での技術習得が実を結び、平成七年にオランダ、同九年にはドイツの国際コンクールで金賞を受賞。幸志氏の自信は、やがて新たな夢へと変わっていく。「いずれは自分の店を、と考えるようになった。それも、商品づくりだけでなく内外装やサービスも本場を意識したものを」。
 しかし、現実は厳しかった。父親である社長との経営観のギャップ、店舗開設資金の調達。こうした悩みに直面していたとき、経営革新支援法による資金調達の道を知った。平成十四年一○月、同法の認定を受けたのを機に翌十五年七月、浜松市西伊場に待望の新店舗をオープン。店舗は賃借とし、改装費や機械装置費などにおよそ二千万円をかけた。
 「そりゃ、外観や内装にもこだわりました。本場のイメージをいかに日本向けにアレンジするかがポイントだった」と福山店長が言う通り、外壁は茶色のレンガを基調に落ち着きと気品をもたせ、店内奥深く構える大型冷蔵ショーケースは、買物客の期待感を大きく膨らませる。




中小企業静岡(2005年9月号No.622)