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 多士済済 
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 ネットワーク 
 編集室便り 




 関東経済産業局は今年度、東京・静岡など管内一都一○県の新連携を支援しようと、中小企業基盤整備機構関東支部に「地域戦略会議」事務局を設置した。同事務局のサブマネージャーとして、静岡県で唯一任命されたのが松本氏だ。
 「新連携計画の目利きと認定支援が仕事。基本的には浜松地区の担当ですが、それ以外のご相談にも応じ、認定取得に向けた最適な助言をしていきたい」と抱負を語る。
 新連携は、複数の中小企業が異分野の専門技術などを持ち寄り事業連携を行うことで、企業単独ではできない高付加価値商品の市場化を図る事業形態をいう。事業認定を受けることで、コア企業に対する上限三千万の補助金や連携企業も含め低利融資、信用保証の特例措置を受ける道が開ける。
 「ポイントは、まずコア企業が存在し、連携企業の役割分担や責任体制ができているか。その上で、事業の新規性・市場性、競合状況などについて十分な裏づけが必要です」。
 七月末までに、関東経済産業局管内の十グループが認定を取得。本県では株式会社スペースクリエイション、まるよん製茶株式会社を核とする二グループがそれぞれ決まった。

新連携計画の「目利き役」 
中小企業の認定取得に 
最適なアドバイスおくる
 
     クローズアップインタビュー 
独立行政法人 中小企業基盤整備機構 関東支部 
新連携支援サブマネージャー
 
松本 眞明 氏 

 「注意してほしいのは、技術開発だけを目的とするのではないという点。たとえば、一定の開発メドがついていて、その市場化を後押ししようというものです。ともあれ、ヤル気ある中小企業は恐れることなく挑戦して欲しい」とエールをおくる。
 学校卒業後、愛知県の大手企業に就職したが昭和四○年、父親が逝去。直後に浜松の実家へ戻り、県への再就職をはたす。県機械技術指導所を皮切りに浜松繊維試験場や静岡工業技術センター食品化学技術部長などを経て、沼津・浜松・静岡の各工業技術センター所長を歴任。一貫して現場指導を重視し、中小企業の技術振興に人一倍の思いをこめる。
 「昔から、中小企業との関わりが好きなんですよ。静岡県は東・中・西の地域によって技術分野にも特徴があり、僕の経験やネットワークを連携支援に活かしていきたい」
 自身の専門分野はメッキ。県の技術者としてまだ駆け出しの頃、恩師ともいえる先輩職員と共同で開発したメッキ液濃縮装置は科学技術庁長官表彰を受賞。「当事はまだ、県の職員がこの種の表彰を受けるのは珍しかった。そうした風潮を変えるキッカケになったのでは」と振り返る。
 ゴルフ暦三○年。「最近は忙しさにかこつけて足が遠のいちゃって‥。当分は、おあずけかな」と笑う。




中小企業静岡(2005年9月号No.622)