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くみあい百景




▲「展示会を企業経営の軸として、
 組合事業の拡大を図っていきたい」
 と語る橋本理事長

シックハウス対策は追い風

 静岡展示会について理事長は「全国のツキ板を扱っている仲買さん、建築部材メーカーなど、お客さんが圧倒的に多いのが特徴。
 理由は、良質なツキ板を全国や県内から数多く集めていることと支払手形のサイトを長くするなど買い易いよう考慮していること。
 こうした努力により、展示会が無い月でも、お客さんが静岡まで足を運んでくれるようになった。
 組合員の売上高でみると年三回の展示会で三億五千万から四億円。これは組合員の年間売上げの
約三割を占める大きな数字。従って各社、原木の購入は、展示会のスケジュールに合わせている。
 端的に言って、展示会をベースに一年の仕事が組まれている、という感覚だね」と話す。
 また、環境への対応に関しては「住宅部材で表に出ているものの八割が紙とフィルム。二割がむく材とツキ板。ホルムアルデヒド、VOC(揮発性有機化合物)に起因するシックハウス対策への関心が高まる中、天然素材への回帰が強まり、需要が伸びている。厳しい中で業界には追い風」と言う。

積極的な増資で事業拡大

 今後の事業計画、組合運営では「世代交替がスムーズに進んでいる。これを背景に現在は行っていない原木の共同購入など事業を拡大強化していきたい。個々での原木調達には保証金が要るが、組合では不要なのでぜひ実現したい。
 それには先立つ資金が必要。購入、製造、販売、代金徴収といった一連の流れの中で、常に支払いが先というリスクを伴っている。
 年三回の展示会の開催にも資金が必要。そこで、ここ二年で一千万円以上増資してきた。組合員の決意、総意の表われだと思う。
 こうした積極性から前年度決算では、設立後初めて八%の出資配当を行った。今後は原木の共同購入等で利用分量配当ができるようにしていくのが目標」と答える。
 「年三回の静岡展示会」と「全国展示会と年二回の静岡展示会」の年を、今後一年ごと繰り返す。
 企業経営の軸となった展示会。次回に向けて、組合と組合員は既に準備態勢を整えている。



中小企業静岡(2005年4月号No.617)