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 編集室便り 



 協和建設協業組合 
 事務理事

岩本 栄久
 高度化事業、組織変更

 裏方に徹し組合事業を支える 



 学校卒業直後、県に就職したものの数年後に退職。家業の農業に精を出すある時、浜松市の建設業者から「組合をつくりたいから手伝ってほしい」と打診があった。
 ― 建設廃材のリサイクル事業。組合の業績は順調で事業の将来性は期待できたが、環境規制もあり市街地での操業はやがて行き詰まり、存続を断念。その後は、解散事務に没頭する日々が続いた。
 新たに、協和建設協同組合設立に関する話が持ち上がったのはそんな時だ。昭和四二年、残務整理の傍ら新設組合の事務や高度化事業による合材リサイクル施設の建設を支援。自然の流れで、事務局に就任することを決めた。この頃、日本経済は高度成長を迎え、砂利の需要も急増。事業は拡大の一途を辿り、組合員も現在の八社に増えた。当時、員外利用が増加したこともあり、協同組合から協業組合へと組織変更も手がけた。
 組合は創業以来、赤字知らず。出資配当、利用分量配当も十分に行ってきた。
「組合員のがんばりがあってこそ。事務局としては、最低限の責任は果たせたかな」といつもながら、控えめな自己評価をする。
 まだ二○代の頃。高度化事業の成功、業績の好調で心の内に過信の念が芽生えた時期がある。そんな時、理事長は突然こう言った。
「確かに君の努力もあった。しかし、協和建設の名前、役員の看板があってこその成功。肝に銘じてほしい」。この助言は初心を忘れた若者の心を鋭く射ぬき、三○年を経た今も忘れることはない。
 性格は、「のんきでくよくよしない」。旅行と読書が趣味。北海道には年一回、時に海外へと夫人と共に旅する。



中小企業静岡(2005年4月号No.617)