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指導員の現場から
フェース・ツゥ・フェースの楽しみ



 十数年前、五月の連休を家族三人で某社の山荘で過ごしている時、NHKが放送した番組がある。
 サラリーマンや経営者も現役でいるときは、職場内をはじめビジネス相手を含め名刺社会で生きているが、定年後何人が自分の周りに残るだろうか。
 子供は独立し、妻も自身のネットワークの中で生きがいを見い出しており、残された自分は、時間と暇を持て余し、生きがいを見つけることなく、寂しい時間を過ごすことになってい人が多く、現役時代と逆に妻が出かける時に、どこへ行って何時に戻るかという夫婦のやり取りがあって夫が留守番している場面が笑えた記憶がある。
 しかし、当時他人事として見ていたが、加齢に伴い自分自身の事であることに気がついた。
 このため、去年の秋頃、人生のサードステージを楽しく過ごしたいと、以前から酒を飲みながら会話していた友と、お互いの知り合いに声をかけ「アウトドアの会」を立ち上げた。
 顔ぶれは、偶然にも年齢と職業が全員違う利害損得が無い写真家、デザイン業、建築士、銀行員、公務員といった経営者やサラリ―マンが十人集まった。
 専門知識や趣味が多種多様のため、お互いに刺激があり、会話している時の顔は皆、良い顔をしている。
 主な活動としては、仲間の工場敷地内に集まってバーベキューやチェーン・ソー体験などして楽しんでいるが、最近、自分達が子供の頃、野山に作った隠れ家を懐かしみ、拠点となる小屋(大人の隠れ家?)作りが話題になっている。
 近年、通勤電車内や歩行中に携帯電話をチクチクしている人が目立つ。家族やメル友とのやり取りだけでなく、出会い系サイトで見ず知らずの男と女が…、家の中で親と子がメールで会話、さらに、インターネットを通じて自殺仲間を募り実行するなど、最近は、携帯が無ければ人と話せない、知り合えない、落ち着かないといった人が増えている様だ。
 確かに便利で優れものであるが、道具は情報伝達あるいは入手の手段として活用するもので、人は相手の顔を見ながら会話し、笑ったり、怒ったりするものだと思う。
 幸いにして本会の業務は常に組合関係の皆様と相対した上で、仕事をさせていただくため日常業務において、様々な出会いがあります。
 たとえば、私共が組合を訪ねる時は、事務局にどの様な職員さんがいるのか、さらに、総会に出席する時などは業界の状況に加えて役員及び組合員さんは、どの様な人達かな、といった具合に毎年多くの方々と名刺交換させていただく度に、緊張と期待感に心が躍る。
 今後も、仕事を通じて多くの経営者や組合事務局の皆さんと名刺交換をし、顔が見える人間関係を構築したいと願う「粗大ごみ予備軍」です。(K・U)


中小企業静岡(2003年 4月号 No.593)