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えんの会企業組合
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住み慣れた土地で、豊かな老後と
不登校児童生徒のフリースペース
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高齢化社会に企業組合で対応
県の統計年鑑によれば、平成十二年、静岡県の六五歳以上のお年寄りは約六六万五千人と報告されている。県民三七七万人の約十八%と県民の五人に一人近くが、六五歳以上の高齢者となっている。
この数字、平成二年の調査で六五歳以上は四四万四千人で約十二%、十年間で六%も増えている。静岡県でも県民の高齢化が、急速に進んでいることを示している。
高齢化社会は、身近な課題で県民全体が真剣に考えなければならない重要な問題だ。
平成十三年の七月に、韮山町で女性を中心に福祉のボランティア活動を行ってきた組織「二一世紀の地域福祉を実践する
会」を母体に、企業組合が設立された。
発起人は当初、NPOの認可をとることも検討したが、設立までの手続きが明確な企業組合を選択した。
福祉活動を行う人々による組合作りは県内でも珍しい。
組合では普通の民家を借り、一部を改造してお年寄りの通所介護(デイサービス)を行っている。
組合員は、ヘルパーや保母、介護福祉士、教師の経験者など七人。さらに、役員として医師も加入している。地域で福祉活動のボランティアを続けてきた人達で構成されている。
手作りの暖かな施設
近くに、通える施設もなく、介護が必要になったお年寄りが、可能な限り住み慣れた地域で、普通の生活を送ることを目的に組合活動を展開している。
さらに、組合員は自分達の老後のことも考え、どうしても必要と考え開所したと話す。
施設は、韮山南小学校の近くに民家を借り、静養室・台所・機能訓練室兼食堂の約五〇m2の四部屋で運営されている。
開所日は、火、木、土、日曜日の週四日間。現在、介護保険で認定を受けた十五人ほどのお年寄りに、健康と身体機能を保つための体操やゲーム、入浴、昼食サービスを提供している。
定員八人の小規模施設の利点を生かして、利用者一人ひとりに、きめ細やかなケアが実践されていることが「えんの会」の特徴。ここでは利用者二人に対して、一人のスッタフが付くので、大きい施設では受け入れが困難なお年寄りも、安定した一日を過ごしているように見受けられる。
事業の拠点となる民家は、組合員自らの手で、床の段差をなくし、トイレを和式から洋式に変更。風呂には手すりを付け、バリアフリー化されている。
長瀬理事長は「高齢者の方々がここにくると『ほっとする』といわれるような暖かみのある場所にしたい。その為には、まだまだ勉強することが一杯ある。これからもメンバーの全員がレベルアップを図り、将来のために、後継者も育てていきたい」と話す。
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