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次代を担う

 先ごろ静岡県青年中央会の六代目会長を務めた上條紀英君(上條工務店・社長)の黄綬褒章を祝う会に招かれた。
 清水の日本平ホテルで静岡・清水両市長をはじめ各界各層、実に幅広い分野から錚々たる顔ぶれが四百名近く出席し、親友の宇崎竜童さんらも手弁当でかけつけるなど、その交友の多彩さは驚きであった。それは彼の事業実績と人柄あるいは団体を通じた奉仕活動の証であろう。
 そういえば、私が全国に先がけ次代を背負う後継者育成のため、青年中央会を創設したのは昭和四二年であった。これは時の竹山知事が全国で初めて、一次産業から三次産業まで役所の縄張りを横断した画期的な「後継者養成課」を創ったのに呼応したものであった。この動きは、やがて中央でも評価され、中小企業庁の支援もあり、全国に青年中央会が組織されていった。県内では東部、中部、西部それに清水と四つの青年中央会があり、それぞれの時代に合わせ、若手経営者の研修と交流の場として活動している。
 そうしたなかから、上條君のように業界や地域のよき指導者が多く輩出されている。たとえば島田の桜井勝郎市長は中部青年中央会の会長経験者で、実業界で養われた経営センスを市政に活かし、次々と斬新な施策を打ち出し、頼もしいかぎりだ。
また自民党県連の内山隆司幹事長も、西部青年中央会の会長として活躍し、現在でも浜松で会計事務所をはじめ、いくつかの企業を経営している。
 うれしいことに、これら三君の後継者たちが、先人の背中を見て、いずれも各地域中央会の現役の幹部として活躍している。
 もちろん、このほかにも青年中央会のOBたちで、現在各協同組合の理事長はじめ、関係団体の要職についているリーダーも枚挙にいとまがない。
 私は上條君の祝いの会で、乾杯の音頭をとりながら、今更のようにあの時期に青年中央会を立ち上げたことの意義の深さを再確認した。

静岡県中小企業団体中央会・会長 


中小企業静岡(2003年 3月号 No.592)